5歳:下の子の話

5歳ともなれば、
妹や弟がいる同級生が増えてくる。

お迎えの時に赤ちゃんを連れてくる保護者も多い。

小さな赤ちゃんからは、ほんのりとミルクの香りがして、
懐かしい気分になる。

でも、小さな赤ちゃんを見ても、
こどもがもうひとり欲しいという気はまったく起こらない。

今はもうひとり赤ちゃんを育てる気力もないし、
肉体的にもほぼ不可能だ。

次男は5歳を過ぎ、
きちんと理由を説明すれば納得できるようになった。

でも小さい赤ちゃんはそうではない。
自分の要求が通らなければ泣くし、
夜中には何度も目を覚ます。
小さいうちはとにかく目を離せない。

10年前だったら「もうひとり」と思ったかもしれない。
でも、今はとてもそんなことは考えられない。

もうひとり子どもを望む気にはならないほど、
わたしが精神的にも肉体的にも年を取ったということだろう。

 

うちにはいつ赤ちゃんが来るの?

同級生に妹や弟が出来たのを見て、

「うちにはいつ赤ちゃんが来るの?」

と次男からは何度か聞かれたことがある。

「うちには赤ちゃんが来ないのよ」

とだけ端的に答えていたら、
次男はそのうち、赤ちゃんのことは聞いてこなくなった。

次男にとって小さな妹や弟がいればきっと楽しいだろうが、
わたしだけでなく、
次男以外の家族全員、
次男を育てることだけで疲労困憊している状況では、
ちいさい赤ちゃんは到底望めない。