ピアノ教室の「口コミ神話」について思うこと

長男が通うピアノ教室は、生徒が年々減っている。

「生徒が減って経営が大変だ」と長男はピアノの先生から愚痴を聞かされた。

当面は大丈夫だろうが、このまま生徒の数が減り続けた場合、そのうち廃業する気がしている。

もしそうなったら新しい教室を探さなければならない。

 

本音を言わせてもらえば、長男が通っているピアノ教室は、生徒が減っても仕方がない状態なのだ。

長男に丁寧に教えて下さる点はとても有難いとは思っている。

けれども、指導法が何十年も変わらない・教材研究をしている様子がない・初心者はどの子も同じ教本を使う(初心者こそ、これまでの音楽経験の差が大きいのだが)。

 

そして…長男が通うピアノ教室では発表会の中身にセンスが感じられない。

大人の生徒にはそれでいいかもしれない。練習の成果を発表できる場であれば大人はそれでいい。

けれども、こどもにとって発表会がキラキラしたものであることが大切だと思うのよ。

発表会で演奏された曲にいいなあ…と思えるものが無い。

子どもが弾きたいと思える曲が発表会で演奏されないのって、とても残念だと思う。

 

どうやら音楽業界では、ピアノ教室というのはいまだに「ご紹介」で生徒が来るもの、という認識らしい。

だからホームページは手作り感満載・ほとんど更新されないピアノ教室が多い。

「良質のレッスンをしていれば、ご紹介・口コミで生徒が来るもの」という口コミ神話が根強いのだ。

「ピアノ教室がホームページやSNSで集客するのはお下品なこと」らしい。

 

本当に良質なレッスンをしているならば、別にネットを使って集客せずとも新しい生徒は入ってくるだろうし、やたらとお金儲けを追求せずにこじんまりと教室を続けるならば、それはひとつの方法だと思う。

現にわたしが通っているピアノ教室の先生もそういう方針だ。

やたらめったら集客していないので、生徒からすれば、落ち着いてレッスンを受けられるから、とても快適だ。

 

ところが、長男が通うピアノ教室のように、従来のままのやり方を続けた結果、優秀な生徒から辞めていくならば、本質的な何かが欠けていると思ったほうが良いのではないだろうか。