日赤の病院食
日赤(日本赤十字社医療センター)の病院食についての感想はあまり見かけない。
そこで今回は、日赤の病院食について栄養学的な見地からコメントする。
(注)本記事は2016年当時の記録に基づくものです。
日赤の病院食
日赤の病院食に関する感想を一言で言うと「母乳育児のためにデザインされている」ということ。
さすが、日赤はBFH(赤ちゃんに優しい病院)に認定されているだけある。
日赤の病院食は産婦専用のメニューで「母乳の分泌を上げる」ことを前提にデザインされている。
言うまでもなく広尾の日赤は大病院だ。
日赤の分娩数は最近のものは公表されていないようだ(2019年現在)。
近年のデータからすると、年間3,000件前後の分娩を扱っているのではないかと推測する。
ならば、日赤には平均して1日に数十人の産婦が同時に入院している。
産婦専用のメニューとして、個人病院のような豪華な料理や、助産院のような酵素玄米ご飯のような手がこんだものを大病院の日赤で提供することは難しいと思われる。
それでも、BFHとして母乳育児をサポートするために、日赤は病院食の範囲内で「最大限の努力」をしていると感じた。
帝王切開の場合
私は、今回の日赤でのお産は帝王切開だった。
術後1日目は食事は何も出なかった。
まあ、食欲も出なかったから良かったけど。
その後、おかゆを経てから通常の病院食に移った。
普通分娩をしていれば、最初から病院食を食べられたのにと思うと残念だ。
厳しい授乳特訓で知られる日赤だからこそ、食事くらいは楽しみを味わいたいと思った人は私だけではあるまい。
ところで、肝心の日赤の病院食のお味は?というと、私の個人的な感想では「あくまで病院食。病院食の範囲として考えれば十分合格点」だ。
日赤の病院食の特徴1:量と種類が多い(とくにご飯)
日赤の病院食で目を引くのが「量と種類の多さ」だ。
特にご飯の量が多い。
「ご飯=炭水化物」をきちんととることが、母乳の分泌を高めるのに大切だと考えているのだろう。
日赤の病院食の特徴2:副食に使われる野菜の種類が多い
日赤の病院食ではとにかく、副食に色々な種類の野菜が使われている。
サラダだけで数種類の野菜が使われている。
サラダのほかに、つけあわせとして「数種類の野菜を使った小鉢」がついていることもある。
病院食にしては副食に含まれる野菜の種類が多いのが、日赤の病院食の特徴だ。
質の良い母乳を産婦さんに分泌してもらうためには、野菜に含まれるビタミン・ミネラルを十分にとってほしいという病院側の意思の表れだろうか。
日赤の病院食の特徴3:たまに出されるおやつが嬉しい
昼食と夕食の間にたまにおやつが出された。
おやつは小さなケーキ、クッキー、ヨーグルト、バナナなどの果物。
この気づかいが嬉しい!
まとめ
日赤の病院食は特段豪華なものではない。
けれども、ご飯と野菜の量がたっぷりで、母乳育児に配慮したメニューになっていると感じた。
おやつにも気遣いが感じられた。
以前、私が長男を出産した際に入院していた総合病院では、食事は他の入院患者と同じ通常の病院食だった。
それを思えば、産婦専用の食事を提供する日赤は病院食も赤ちゃんに優しいと思う。