シュタイナー教育

我が家からそう遠くないところに、いわゆるシュタイナー幼稚園がある。

次男の幼稚園候補のひとつとして、このシュタイナー幼稚園を見学した。

シュタイナー幼稚園を見学してみて、シュタイナー幼稚園というものは、他の幼稚園と違う、ある種独特のものだということだけは分かった。

今回は、シュタイナー教育と、シュタイナー教育を実践するシュタイナー幼稚園に関して取り上げる。

 

シュタイナー教育とは

シュタイナー教育とは、ドイツの哲学者であるルドルフ・シュタイナーの人間学をベースにした教育のことをいう。

シュタイナー教育はヨーロッパやアメリカを中心として普及しており、日本でもシュタイナー教育を基調とするシュタイナー学校がいくつか設立されている。

シュタイナー教育という言葉自体を耳にした人は多いかもしれない。

けれども実際に「シュタイナー教育とは何か」についてはあまり知られていないと思う。

私もシュタイナー幼稚園というものが存在することとは知っていたけれど、それがどのようなものかは全く知らなかった。

今回、次男の幼活ではじめてシュタイナー幼稚園を見学した。

シュタイナー幼稚園を見学して、シュタイナー幼稚園というものが日本の一般的な幼稚園と趣がまったく異なるものだと知った。

ルドルフ・シュタイナーという哲学者は1861年に生まれ、1925年に没している。

今、世界各地で行われているシュタイナー教育はシュタイナー自身が行っているものではなく、シュタイナーの意志を引き継いだ人々によって行われているものだ。

 

シュタイナー教育

シュタイナー教育については、今まで数多くの書籍が発行されている。

シュタイナー教育の詳しい内容については、既刊の書籍に説明を譲る。

ここでは、私自身がいくつかの書籍を読んで、シュタイナー教育の特徴だと思う点について取り上げる。

 

シュタイナー教育その1:教え込まず、子ども自身の感覚を育てる

シュタイナー教育では、教え込まず、子どもが自発的に感じたり表現したりすることを重んじている。

「文字を7歳まで教えない」というのもその表われだ。

文字を覚えると概念で思考するようになるので、子どもの表現の幅が狭まってしまうそうだ。

シュタイナー教育では文字を覚える前に子ども自身が物事を感覚的に捉えることを重んじている。

 

シュタイナー教育その2:こども一人ひとりの個性を尊重する/競争にさらさない

シュタイナー教育では一人ひとり成長する時期が異なるという点を重んじている。

シュタイナー教育では早くやること・人に勝つことを強要しない。

シュタイナー教育では子どもたちの良いところに注目することを大切にしている。

 

シュタイナー教育その3:自然素材のおもちゃで遊ぶこと

シュタイナー教育ではおもちゃは子どもの創造性を掻き立てるものが望ましいとされる。

そのためには貝殻、木の実、木片、布などの自然素材をベースにしたおもちゃがよいとされている。

自然素材をベースにしたおもちゃを用いることで、子どもの想像力が増し、遊びへの集中力が高まるといわれている。

 

シュタイナー教育その4:ペンタトニックの歌(音楽)

シュタイナーは「ファ」の音は子どもにとって不安定な音であるとした。

「レ・ミ・ソ・ラ・シ」の5音をペンタトニックと呼び、小さな子どもたちがこの5音で構成される歌を歌うことで、ゆったりとした呼吸と脈拍を育てていくのが良いとした。

シュタイナー幼稚園で歌われる歌は基本的にペンタトニックからなるものである。

なお、世界のわらべ歌の多くはこのペンタトニックからなる音階で構成されているそうだ。

だからこそ、シュタイナー幼稚園で子どもが歌う歌は子どもになじみやすいとのことだ。

 

シュタイナー教育その5:にじみ絵(美術)

シュタイナー幼稚園に見学に行くと、子どもたちが描いた独特の水彩画が貼ってあるのに気づく。

この独特の水彩画はにじみ絵と呼ばれ、シュタイナー幼稚園で導入されている独特の絵画である。

シュタイナー幼稚園では、水彩絵の具で描かれた、色と色との境があいまいなにじみ絵を子どもたちは描いている。

水彩画は主に、黄色やピンク、黄緑色などの複数のパステルカラーで描かれている。

 

シュタイナー教育その6:オイリュトミー(舞踏表現)

シュタイナー幼稚園に行くと、オイリュトミーと呼ばれる独特の舞踏表現のクラスがある。

このオイリュトミーとはシュタイナーが開発した運動を主体とした教育である。

正確に言うと、オイリュトミーは運動でもなく舞踏でもない、ある種の「身体を使った表現芸術」というのが正しい表記だろうか。

私自身、シュタイナー幼稚園でオイリュトミーを見学したことはない。

見学したシュタイナー幼稚園でも定期的にオイリュトミー専門の先生を呼び、オイリュトミーのクラスが開かれているらしい。

オイリュトミーのレッスンは一度見学してみたい。

私見だが、オイリュトミーは音楽を使って身体を動かすもので即興性があるので、ある種、リトミックと共通性があるものもしれない。

 

まとめ

以上、シュタイナー教育の特徴についてまとめてみた。

シュタイナー教育の特徴その2「一人ひとりの個性を尊重すること」・特徴その3「自然素材のおもちゃで遊ぶ」ことは、別にシュタイナー教育でないふつうの幼稚園でも実践されているところも多いだろう。

一方で、シュタイナー教育の特徴その4「ペンタトニックの歌」・特徴その5「にじみ絵」・特徴その6「オイリュトミー」はシュタイナー教育独特の教育法である。

ただ、特徴3~6は概念的な事柄でなく、実践的な事柄ではある。

シュタイナー幼稚園を見学してみて、シュタイナー教育の理念は魅力的だと思った。

ただ正直に言うと、シュタイナー教育の実践され方にちょっと違和感がある。

だから今のところ、我が家はシュタイナー幼稚園を選択しないつもりである。

その理由については、別の記事にまとめる予定だ。