保育園と外国人

最近、幼稚園の預かり保育の申請のため、区役所に行く機会があった。

子ども関連部署の窓口に行って驚いた。

なぜなら、外国人の保護者がたくさん並んで座っていたから。

保育園の入所申込に来ていた保護者のうち、およそ1/3は外国人だった。

我が家がある自治体では、子どもの保育園入園を希望する外国人は10年前と比べてずっと増えている。

10年前は保育園に通う外国籍の子どもはまだそれほど多くなかった。

しかし最近は、我が家がある自治体でも外国人の居住者が増えている。

結果、保育園に通う外国人の子どもたちも増えてきた。

長男が通う小学校でも、外国籍の子どもは年々増えている感じだ。

 

長男が通っていた保育園で

そういえば、長男が通っていた保育園の同級生に外国籍の子どもが何人かいた。

外国籍といっても、生まれてからずっと日本で生活している子どもは日本語が話せるので、コミュニケーションに関して問題はない。

ただ、ある程度大きくなってから日本に来る子どもは、保育園入園当初は日本語が理解できない。

だから保育士の先生方は対応に悪戦苦闘していた。

当時、保育園の居室に英会話の本が置いてあったのを目撃した。

基本的な英単語とあいさつ表現に赤いマーカーが引かれていた。

保育士の先生方がいろいろと努力されているのが分かり、大変だなあと思った。

ただ、子どもは言葉を覚えるのが早い。

それに、年齢が小さければ小さいほど、言葉によるコミュニケーションに寄らずとも、身振り手振りでコミュニケーションがとれる。

日本語がまったく話せずに入園する子どもも、数か月すれば日本語でコミュニケーションがとれるようになるのを実際に目撃して、子どもはなんて頭が柔らかいのだろうと羨ましく思った。

そう。

子どもは、保育園に入園して半年もすれば日本語でコミュニケーションがとれるようになる。

けれども、外国人保護者は子どもと同じように日本語が話せるようにならないことも多い。

だから保育士の先生方は外国人保護者とのやりとりに悪戦苦闘していた。

たとえば「保育園からのお便り」を外国人保護者が読めないことがある。

保育士の先生方と外国人保護者との間のやり取りだけではない。

長男が通っていた保育園でも、外国人保護者とのやりとりを英語その他の外国語でしなければならなかったり、外国人保護者はPTAや親の会への参加が難しかったり等ということがあった。

外国人の子どもが増えると、保育園や学校では今までの「日本語を使って」回っていたシステムだけでは機能しなくなる。

 

保育園の現状

上記記事によれば、東京都よりも神奈川県や埼玉県のほうが外国人の子どもが多くいる。

確かに、神奈川や埼玉では外国人が多く居住する地域がいくつか存在する。

ただでさえ現状、保育士不足が問題になっている。

それなのに、外国人の子どもをこれから多く受け入れることになれば、どう考えても人手が足りないと思う。

上記記事でも言及されているが、国は外国人労働者の受け入れのほうには熱心だけれども、外国人労働者の子どもを保育園や学校で受け入れるための施策についてあまり考えて来なかったようだ。

保護者である私からみても保育園の現場は疲弊している。

だからこそ外国人の子どもを受け入れるための施策を導入することは不可欠だ。

 

対照的な幼稚園

そういえば、我が家がある自治体では保育園と対照的に、幼稚園には外国人の子どもはまだまだ少ない。

幼稚園の保護者は専業主婦が多く、保育園に比べて均質的だ。

そういう意味で、幼稚園の保護者はまだまだ日本的で均質的な集団だ。