わたしが一貫校に躊躇する理由
わたしが子どもの頃、
私学から公立小学校・中学校に転出してくる生徒が、
少なからずいた。
私学を辞めて転出してくるくらいだから、
相当のワルなのかと思うと、
全くそんなことはなく、
普通の人が多くて拍子抜けした記憶がある。
そんな様子を見ていたので、
小学校受験・中学受験には、
どうしても全面的に肯定的になれないのだ。
内部進学したいけど、できない
都内にある国立大付属の小学校・中学校では、
全員が上の学校に上がれないのが常らしい。
小学校から中学校、中学校から高校に進学するとき、
学校にもよるが下位1割~3割は上の学校に進学できないといわれている。
わたしが公立中学に通っている頃、
都内のある国立大付属中学に通う女の子が、
わたしが通う英語塾に勉強しに来ていた。
その女の子はスポーツが得意で、
運動系の部活に入って楽しい中学生活を送っているが、
成績が悪くて、
学校側からは高校に内部進学できないかも言われている、
と話していた。
その女の子は性格も明るくて素直だし、
なにしろ本人が中学生活にとても満足していた。
けれども成績が良くないので外部の高校に出なければならない。
本人がこのまま学校に残りたいと思っているのに
「きまり」だから出ないといけないのは酷だ。
でも、そういうものらしい。
公立中学に居れば落ちこぼれるような成績ではないだろう。
通っている中学のレベルが高いため、
相対的な成績が低くて、
外部に出ざるを得ないと聞いた。
国立大付属の場合、
入学者選抜に抽選を経るから「運」の要素も強い。
でも実際は、
小→中、中→高の内進時に成績不良者を振り落とす仕組みだ。
国立大付属ほど数は多くはないけれど、
私立大付属でも同じように、
小→中、中→高の内進時に成績不良者を振り落とす。
どこの学校もそうだけど、
学校説明会では良いことしか言わないものだ。
仮に、学校説明会で「上級学校への進学時、成績下位者は内部進学できません」
という話があったとしても、
自分の子どもには関係ないだろうと思って、
軽く考えてしまうのだろうか。
実際には、上級学校への進学時にクラスの誰かが必ず居なくなるのだ。
内進時に消えていく生徒の存在を目の当たりにして、
内進生はどう思うのだろう。