(読書感想)うちのねこ(作・高橋和枝)

「うちのねこ」は、のらねこと暮らし始めた著者の話である。

主人公の猫は、表紙にある黒白の猫。

黒白の猫というのは案外たくさんいる。

最初は人に慣れなかった元のらねこが、
冬の寒さに耐えきれず、
ふとんにこっそりはいってくるまでの話だ。

のらねこというのは、
イエネコになっても飼い主に全面的に心を許さないところが、
心のどこか片隅に残っている。

のらねこだったネコと暮らしたことがある人は、
分かると思う。

のらねこだったネコが心を許してくれないという著者のもどかしさが、
この本に描かれている。

それでも一緒に暮らしていると、
のらねこだったネコも次第に心を許してくれる。
それまでの過程がこの本に描かれている。

 

うちのねこ

作・高橋和枝
初版・2021年8月
出版元・アリス館