島田陽子が亡くなった
島田陽子が亡くなった。
とにかく美しい人だった。
島田陽子は「犬神家の一族」に野々宮珠世役で出演していたのが印象に残っている。透明感のある美しさが眩いばかりだった。
数年前、内田裕也と樹木希林が相次いで亡くなり、それ以降、内田裕也&樹木希林夫婦のことが頻繁に取り上げられるようになった。
愛人の話など、まるでなかったことのように。
けれども、わたしがこどもの頃に印象深かったのは、内田裕也と一緒に行動する島田陽子の姿だ。
当時、内田裕也が樹木希林と別居状態であり、ふたりがいわゆる不倫関係だったことはわたしも知っていた。
当時彼らはふたりで堂々と行動していた。
内田裕也は本気で離婚して島田陽子と再婚する気だったようで、離婚届を提出して樹木希林から訴訟まで起こされている。
80年代初頭にふたりは交際を始め、8年間を共にしたそうだ。
80年代を内田裕也と島田陽子はともに駆け抜けたのだ。
内田裕也の人生でその頃が一番、思い出深かったようである。
島田陽子が都内のカフェで内田裕也と偶然ばったり出会った日の夜、内田裕也が島田陽子に電話をかけてきたそうだ(島田陽子さん「才能を尊敬していた」関係終了後も語っていた内田裕也さんへの愛)。
「私といた8年間が内田さんが輝いていた人生のピークだったようで、『あの時代が懐かしい』と。『そうね、楽しかったわね』と私が言うと、『あの時期は自分は幸せでした』と。それが最後の言葉になりました」
内田裕也にまつわること(都知事選出馬など)について、島田陽子が多額の資金を用立てたといわれている。
夢を叶えるための費用は妻ではなく愛人に用立ててもらった、ということである。
その後、島田陽子は借金に追われることになる。後年、プロレスに参戦したりAV出演したりと、お金に困っているのかと思うような仕事を島田陽子は受けていた。
別れた後に多額の借金が残っても、内田裕也との交際について島田陽子が後悔している素振りは一切ない。それほど内田裕也という人は島田陽子にとって忘れられない男だったのだろう。
「女を飽きさせない男性と交際する」ということ
記事を読むと、島田陽子は内田裕也だけでなく、ショーケンや松田優作とも親交があったようだ。
島田陽子さんラストインタビュー 内田裕也さんと交際中、松田優作さんに言われた〝ひと言〟【後編】
島田陽子だけでなく、ショーケンと交際していたとされる桃井かおりや倍賞美津子の例を見ると分かるように、この手の「女を飽きさせない男性」との交際は、何事に代えがたい魔力みたいなものらしい(読書感想『ショーケン』)。
倍賞美津子の場合など、交際相手はアントニオ猪木⇒ショーケンである。
確かに、彼らと一緒にいればハラハラするしお金で苦労する可能性は高いだろう。けれども、飽きない人生を送れることは間違いない。