(読書感想)さよなら!?愛しの筋腫ちゃん(著者:横森理香)
さよなら!?愛しの筋腫ちゃん
初版:2015年
著者:横森理香
出版元:祥伝社
卵巣嚢腫持ちの人は参考になる
この本のタイトル「さよなら!?愛しの筋腫ちゃん」からすると、子宮筋腫を切除するのかと思いきや…。
この本「さよなら!?愛しの筋腫ちゃん」で著者が切除したのは「子宮筋腫」ではなく「卵巣嚢腫」なのである。
この本には、著者が「卵巣嚢腫」を腹腔鏡手術で切除するまでの顛末が書かれている。
この本は、
・「卵巣嚢腫」を切除しようか迷っている人
・「卵巣嚢腫」の経過観察の人
にはとても参考になるだろう。
わたしの周りにも「卵巣嚢腫の経過観察中」という人や「卵巣嚢腫の切除手術経験者」が結構いる。
「卵巣嚢腫」は40代・50代にはありふれた疾患だ。誰でも卵巣嚢腫とは無縁ではないのだ。
愛しの筋腫ちゃん
著者(横森理香氏)の「愛しの筋腫ちゃん」の初版から20年が過ぎた。
「愛しの筋腫ちゃん」には、あらゆる自然療法を試して子宮筋腫を温存する話が載っている。
今回紹介する本「さよなら!?愛しの筋腫ちゃん」では、著者が子宮筋腫を温存したまま50歳を過ぎ、今度は卵巣嚢腫が発覚し、卵巣嚢腫の手術を受けるまでの顛末が書かれている。
著者の卵巣嚢腫が発覚したのは、経験したことがない激しい痛みがきっかけだった。
ただ当初は、痛みの原因が卵巣嚢腫の破裂だとは分からなかった。
しばらくしたのち転院先の医師(卵巣嚢腫の症例数が豊富)から「当初の激しい痛みは卵巣嚢腫の破裂が原因による腹膜炎」だと教えられたそうだ。
「卵巣嚢腫の専門医でないと詳しいことは分からない」ということだ。
まさに「餅は餅屋」というべきか。
自然療法と手術の葛藤
この本を読んで驚くのは、著者にとって「自然療法」が生活に根付いていることだ。
たとえば、
・漢方
・ハーブ
・鍼
・整体
・ヒーリング
・バイオロルフィリング
など、著者の生活にごく当たり前のものとして浸透している。
施術だけでなく、サプリメント・漢方・ハーブやヨガ、ピラティス、ベリーダンスなど、多くの自然療法が著者の生活の一部になっている。
それゆえ、自然療法の信奉者である著者が、卵巣嚢腫の摘出手術を受けるまでの葛藤がこの本には書かれているのが興味深い。
何人もの自然療法家の名前がこの本に出てくるうえに、その連絡先まで本の最後に掲載されている。
自然療法に興味がある人はこの本を読んでみると良いと思う。
この本に出てくる自然療法の施術のお値段も「それなり」である。
それなりに稼いでいる人でないと、こんなにたくさんの自然療法家に施術をお願いすることは到底できない。
著者自身、施術台を備えた部屋を持っているほどだ。
出張で自然療法家に来てもらって専用の施術台で施術を受けるという贅沢さである。
卵巣嚢腫の手術後、著者が入院している病室に施術家がわざわざ出向いて気功を行っている場面が印象的だ。
お金がある人はこうやって療法家を読んで施術を受けられる。
まるで雲の上の話のようだ。
わたしも自然療法に親和的なほうではあるけれど、著者の豪華さからすれば、自分はなんと貧乏くさい自然療法愛好家なのだろうかと思い知らされる。