ネコと戦いごっこと(子ネコの成長の記憶)
実家暮らしだった時、飼いネコ(♀)が子ネコを産んだ。
子ネコたちが実家で生まれて大人のネコへと成長し、やがて年老いたネコたちをすべて看取ることができたのは貴重な体験だった(ネコを看取る)。
ネコの出産
親ネコは、使われていないコタツの中で子ネコたちを産んだ。
胎盤は親ネコがすっかり食べてしまったようだ。飼い主である私たちが掃除しなくてもコタツの中はキレイになっていた。
子ネコが生まれたのち親ネコは子ネコの臍の尾を噛みちぎる。
子ネコたちに当初ついていた臍の尾は成長とともに自然と朽ち果てた。
臍の尾というのは自然に朽ち果てるものだとそのときに知った。
巣の場所を変える
ネコの習性で、親ネコは子ネコたちを同じ場所に留めておかない。
敵が子ネコの匂いを感知して子ネコを襲わないよう、巣を移動させるのだ。
子ネコたちがひとりで歩けるようになるまで、親ネコは実家のなかで子ネコの居場所(巣)を3回ほど変えた。
朝起きると別の場所から子ネコの鳴き声がした。夜中のうちに親ネコが子ネコを運んだらしい。
親ネコが子ネコを1匹ずつ口で加えて新しい居場所へと運ぶ。
親ネコは建具の隙間など、人間が容易に入り込めない場所に巣を作った。
生後1か月ほどで
子ネコたちは生後1週間経つとだいぶネコらしくなってきて、生後2週間もすると、少しずつ歩き出す。
この頃、それまでブルーだった子ネコたちの瞳の色がグリーンやイエローに変わるのだ。
前日までにブルーだった瞳が急に別の色に変わるのは神秘的ですらある。
そして生後1カ月もすると、子ネコたちはふつうに移動できるようになる。
戦いゴッコ
子ネコたちが自由に動けるようになると、戦いゴッコが始まる。
オス・メス関係なく、子ネコたちはお互いにプロレスのごとき取っ組み合いをする。
子ネコたちの戦いごっこは連日連夜、運動会のごとく続く。
戦いごっこは生後半年ほどがピークだろうか。
その後、生後1年も過ぎると不思議なことに戦いごっこはピタッとなくなる。
その頃には大人のネコになっていて、ネコたちはお互い独立して干渉することがなくなる。
我が家のネコたちは、飼い主である私たち(人間)に対して、本気で噛んだり引っかいたりは決してしなかった。
それは、我が家のネコたちは子ネコの頃に戦いごっこを十分にしたからだと思う。
戦いごっこを通して子ネコは相手を攻撃するときの力加減を知る。
そういう子ネコの様子を見ていると、他人の痛みを知るためにヒトの子どもたちにも戦いごっこは必要なんだろうなと思う。
同居人のインコとの関係
我が家のネコたちは生まれた頃からインコと同居していた。
不思議なことに、生まれた頃からインコと同居していると、ネコたちはインコを敵だと思わないようだ。
ネコたちがインコを襲うことは一度もなかった。