もう1回産むなら自然分娩を選ぶ
わたしは長男を自然分娩で、次男を帝王切開で出産した(自然分娩と帝王切開)。
次男も自然分娩で産みたかったけれども、子宮筋腫があったので次男はやむなく帝王切開で産んだ。
わたしは50を過ぎたのでもう1人産む可能性は限りなく「ゼロ」に近い。
でも仮にもう1回産めるならば、自然分娩をしたい。
理由は単純。「自然分娩は気持ちが良いから」だ。
こどもが出てくるときの感触が忘れられない
もちろん自然分娩は痛い。
でも痛み(陣痛)はずっと痛いわけでなく、波がある。
陣痛が最高潮のときでも、約1分間陣痛が続いたあとで、1分間は痛みがふっと消える。
陣痛が消える1分間は本当に、痛みがすっかり消えてなくなるのだ。
だから痛みに耐えられる。
なんといっても、自然分娩の最後でこどもの体がぬるっと出てくるときの感触がもう、なんともいえない。
とにかく「気持ちが良い」。
あの感触は今でも忘れられないな。
こどもが出てくるときのあの感触を一度体験すると、もう一度産みたくなるのだ。
会陰を縫わなくてよい
うまく産めば、初産でもお産のときに会陰がじゅうぶん伸びるから、お産の後に会陰を縫わなくてすむ(もちろん縫合が必要な場合もある)。
いちおう、臨月になってから会陰マッサージでほぐしていた。
会陰を縫合しなければ会陰周辺の痛みもないので、お産の翌日にはわりとふつうに近い状態で生活できる。
お産のあとで会陰が痛まないのは本当に楽。ありがたい。
得も言われぬ達成感を味わえる
長男を自然分娩で産んだあとは、それはそれは、得も言われぬ達成感があった。
「自分の感覚を使い切ってお産をした」という達成感。
それはまるで、マラソンで42.195kmを完走したときの感覚に似ているかもしれない。
わたしの人生でこれまで、お産以上に、自分の感覚を使って何かを成し遂げる経験はしたことがない。
自分の感覚を頼りにして、子どもといっしょにお産を乗り越える経験は本当に貴重だ。
長男を産んだあとすぐに、もうひとり産みたくなった。
長男が生まれたのは日曜日で、ふだん診察で見かけない当直の産婦人科医師(アルバイトかも)がお産に立ち会っていた。
その病院は必要以上にお産に医療介入しない方針だったので、長男のお産では産婦人科医がほぼ何も処置をしないですんだ。
長男のお産の担当は浮世離れした雰囲気の男性産婦人科医だったけれども、今もどこかで産婦人科医を続けているのだろうか。
でも現代女性の生活を考えると
長男を出産するお産に備え、塩分控えめの食生活にし、毎日の散歩を欠かさなかった。
もし私がもっと若くて、毎日体を動かす習慣があって、きちんとした食生活をしていたならば、特段努力しなくても自然分娩で気持ち良いお産ができたんだろうな。
でも、高齢初産で妊娠中も仕事が忙しくて体を動かす習慣がなかったら、お産を乗り切れるかが不安だし無痛分娩を選択する人が多いのもよく分かる。
それでも、自分の感覚を使い切ったお産をしてみたい人はぜひ、妊娠中に体を整えたうえで自然分娩を選択してほしい。
心地良いお産を経験出来たら「もうひとり産みたい」という思いが心の中から湧き上がってくるはずだから。