都立中高一貫校を見学した感想【2024年】
先日、ある都立中高一貫校を見学してきた。
中高一貫校といっても、中学と高校が別の施設になっている学校もあれば、同じ建物に中学と高校が存在する学校もある。
今回見学したのは、中学と高校が同じ建物内に存在する学校だ。
高校受験した私からすると、中学生と高校生が同じ建物で授業を受けていること自体、とても不思議な感じがする。
今まで見学したことがある中高一貫校では中学と高校が別棟になっていたから、妙に新鮮な感じだった。
先取り学習について
中高一貫校のメリットのひとつが「先取り学習」だ。
進学校といわれる中高一貫校では英語も数学も公立中学の進度と比べると「けた違い」に速い。
今回は中学生の数学の授業を参観した。
見学した学校では、中学校の授業が高校の学習要素を取り入れたものになっていた。
中高一貫校は高校受験がない分、ゆとりがあるので、自分が興味を持ったことを深く掘り下げて学習することができる。
探求学習の時間を確保できるところは、中高一貫校のメリットである。
都立中高一貫校は探求学習を売りにしているところが多い。
とはいえ、気になったのはやはり「授業の進度」である。
今回見学した学校では、中学生の時点で数学のクラスが2つに分かれていた。
数学については少人数制指導を採用しているようだ。
わたしが見学したとき、片方のクラスでは証明問題を、片方のクラスでは基本問題を学習していた。
基本問題といっても、本来中3で学習する内容を中2で学習していることを考えれば、それだけでも負荷が大きい。
もし公立中学に進学していれば、数学の学習もそれほど苦でなく、成績もトップクラスだったであろう子たちばかりだ。
中学生の段階で授業についていけなくなると、早い段階で理系に見切りをつけてしまうというデメリットがある。
先取り学習は諸刃の剣
先取り学習は「諸刃の剣」だ。
先取り学習は、その科目が得意な子には良いけれども、すべての子に速い進度を課すのはキツい。
英語や国語などの文系科目に秀でているが、数学はそれほど得意でない子もいる。
英語に関しても同様で、数学は極めて得意でも、英語はそれほど得意でない子もいる。
数学や英語などの先取り学習科目については、
・ファスト トラック(速い進度で学習)
・スロー トラック(少しゆっくり目で学習)
みたいなふうに、進度を選択できると良いのにな、と思う。
得意じゃない科目はゆっくり学習したほうが、苦手意識をもたずにすむ。
速い授業進度についていくだけで精いっぱいになると、勉強がつらくなる。
ゆっくり・じっくり学習していれば、年齢を重ねて生徒が成長し、不得意科目が得意科目に変貌することだってある。
中高一貫校は「6年間」。
小学校の6年間も長いけれど、中高の6年間も長い。
中学校に入学したばかりの子が高校を卒業する頃にどういうふうに成長するのか、予測することは難しい。
6年間の成長をしっかり実感できるところが中高一貫校の魅力のひとつだ。
学校に頼らず、独学で先に進むのも悪くないと最近思う。
そのほうが自分のペースで勉強ができるから。