ダルクローズメソッドについて~最近感じたこと

うちの長男も次男も、リトミック教室にお世話になってきた。

うちの長男・次男が通ったのはダルクローズメソッドの教室だ。

ダルクローズメソッドは音楽教育に留まらない「人間教育」だと、最近しみじみ思う。

 

ダルクローズメソッドは「リトミック」・「ソルフェージュ」・「即興」を三本の柱とする。

ダルクローズメソッドを実践している先生方は「こどもたちにとって今は何を学べば良い時期なのか」を常に模索していると、はたから見ていて思う。

今まで教えを頂いた先生方には感謝してもしきれないほどだ。

 

ダルクローズメソッドでは「体験すること、そのことによって感覚を鋭敏にすること」をとっても大切にしている。

リトミック(リズム運動)については語りつくされているので、ここでは「ソルフェージュ」「即興」に焦点を当てたい。

 

ソルフェージュ

ソルフェージュというと、ドリル(問題集)を使った机上の演習に頼りがちだ。

これに対して、ダルクローズメソッドではまずレッスンでピアノの音に反応して動くことから始める。

ダルクローズメソッドを実践する教室で広いスペースが必要なのは、生徒たちが動き回るスペースが必要だからだ。

生徒が自分の感覚を研ぎ澄まして音を聴き、その音に反応して体を動かすことで、音楽に対する理解を深めていくのがダルクローズメソッドだと思う。

 

即興

今のこどもたちは、音楽の授業でピアノの生伴奏で歌う機会が減っている。

長男・次男が通う小学校の授業を見た実感である。

 

音楽の授業では、こどもたちは授業用のCDをかけて唄をうたっていることが多い。

どうやら、ピアノがそれほど上手ではない人が音楽の先生になっているみたいなのだ。

年々そうなっていると感じる。

 

私が子どもの頃は、音楽の先生は例外なくピアノが相当に上手で、ピアノが弾けない音楽の先生なんて有り得なかった。

けれども、教員不足の今は、それほどピアノが上手でなくても音楽の先生になれるらしい。

結果として、とても残念なことに、今のこどもたちは生伴奏を聴いて即時に反応して歌う経験が昔のこどもよりも減っている。

学校ではコミュニケーション能力を高めることが大切だ大切だと言われているのに、即時に反応する経験(即興の経験)が減っているのってどうなんだろう。

 

ダルクローズメソッドの柱のひとつである「即興」は、先生も生徒も「即興」だ。

リトミックの際も先生の即興演奏に反応して生徒が自分の意思で動いたり、歌ったりする。

学校の音楽の授業ではあまり経験することができない「即興」をダルクローズメソッドでは十分に体験することができる。

 

ダルクローズメソッドを体験したことがない人はぜひ一度、ダルクローズメソッドを体験してほしい。

ダルクローズメソッドで学ぶソルフェージュはピアノに限らずほかの楽器にも有用だし、もっと言えば、歌を唄うときにもダンスにも文章を書くときにも日常生活にもソルフェージュの経験は生きてくる。日常生活の動きどれもリズムが伴うのだから。