「待機児童」は今いずこ(遠い目)
少子化である。
今年(2024年)の出生児数は70万人を割る可能性が出てきたとのこと(出生数70万人割れの公算 今年上半期33万人、6%減)。
年間出生数が100万人を割り込み約97万人になったのは2016年。
2016年は現在小2(8歳)の我が家次男が生まれた年である。
年間出生数が100万人を切ってからたった8年で、年間出生数は30万人ほど落ち込んだのだ。
2020年以降、少子化が急速に進むことは前から分かっていたことだ。
ここ数年で少子化が一気に進んだ最大の原因は「団塊ジュニア世代の出産適齢期が過ぎたこと」なのだから。
子どもの数が減っているから、数年前から認可保育所の空きは少しずつ増えているし、多くの幼稚園で定員割れがおきている。
保育園に入園できるよう、無認可園に預けて入園ポイントを稼いだり、倍率が低い地域に引っ越したりと、保育園入園のために親が右往左往したのは昔話になりつつある。
そういえば、保育園に入園するための活動を「保活」と呼んでいたけれど、保活という言葉すら最近はあまり聞かなくなったな。
わりとすんなり保育園に入園できるようになったから、熱心に保活する必要はなくなったということだ。
6年前、次男の認可保育所への入園申込みをしたときは、認可保育所には空きがまるでなかった。
保育所に入園できない子どもは「待機児童」と言われ、当時、大騒ぎだった。
6年経った今は「待機児童」という言葉もすっかり聞かなくなった。
当時は、一番人気の認可保育所など、募集10人に対して100人以上が応募してきた。
どう考えても次男が保育園に入園できるはずがなかった。
当時は認可保育所への入園は「箸にも棒にも掛からない」状態だった。
結果として、次男の保育園入所はあきらめ、次男は幼稚園に通った。
保育園に入園できなかったのはうちの子だけじゃない。
次男の同級生には「保育園への入園をあきらめて幼稚園に通った」子が少なくない。
当時あまりにも保育園に入れなくて、仕方なく幼稚園に通わせた家庭は我が家だけではなかったのだ。
でも当時は幼稚園も定員一杯だった。
保育園に入るために「保活」したけれど保育園への入園はかなわず、今度は、幼稚園に入園するための「幼活」を強いられた。
幼稚園というところは基本的に働いている親を好まない(少なくとも当時はそうだった)。
見学に行った幼稚園の中にも「働く母親への嫌悪感」を隠さない園もあった。
それが今では少子化により保育園以上に幼稚園は定員割れしている。
定員割れの結果、「働く母親お断り」と明言していた幼稚園が「働く母親ウェルカム」みたいなことを言い出しているのには笑える。
園の方針はそう簡単には変わらない。
「働く母親ウェルカム」なんて口では言っているけど本音は「働く母親大嫌い」に決まっているでしょ。
認可保育所の空きを埋めるため、今は「働いていなくても保育園に入れます」みたいな制度(こども誰でも通園制度)までできた。
それでも少子化は止まらない。
「保育園をたくさん作れば少子化が解決できる」と言っていたのはどこのマヌケだろうか。