仲本工事が亡くなった
仲本工事が亡くなった。
一昨年の志村けんに引き続き、ドリフターズのメンバーがまたひとり亡くなった。
わたしはドリフで育った世代だ。
ドリフターズ全盛時代、ドリフターズの番組を観るのを楽しみにしていた。
当時、ドリフの番組は土曜日と火曜日の夜に放映されていた。
懐かしいドリフの番組を振り返って、思い出したものを書き綴ってみる。
8時ダョ!全員集合
「8時ダョ!全員集合」はご存知、土曜日の午後8時のTBS系列番組だった。
「8時ダョ!全員集合」は当時、お下品・お下劣だとして、PTAの「子どもに見せたくない番組」の第1位に選ばれた番組である。
「8時ダョ!全員集合」は生番組で生中継だったので、番組を観ていて緊張感があった。
生放送のため放映時間内で番組を終わらせる必要性から、番組はテンポ良く進んだし、生放送ならではのハプニングも起きた。
確か停電?のようなものが起きて、番組の進行がストップしたこともあったのを覚えている。
「8時ダョ!全員集合」は基本的に全国各地のホールからの公開生中継で、
観客のたくさんのこどもたちが見ている前での舞台だったことも番組に良い緊張感を与えていたと思う。
体操のコント
「8時ダョ!全員集合」のコントの内容は毎回変わった。
なかでも仲本工事が得意だったのは体操のコントだ。
仲本工事は学生時代、体操選手だったので、体操が得意だった。
仲本工事が体操選手の衣装を着て、跳び箱を披露していたのをよく覚えている。
生演奏と生バンド
そういえば「8時ダョ!全員集合」の出演者はドリフターズだけでなかった。
毎回ゲストとして、当時売れていた歌手が登場した。
ゲストの歌手がコントに参加するのも「8時ダョ!全員集合」の魅力だった。
「8時ダョ!全員集合」は生番組であることもあり、生バンドが楽曲を生演奏していた。
毎回、コントが終わると舞台が早変わりして生バンドが登場し、ゲストの歌手による歌の時間になった。
歌手は生バンドの前で、もちろん口パクではなくきちんと生で曲を歌っていた。
「8時ダョ!全員集合」というのは歌手の唄もきちんと聞ける番組だったのだ
生バンドの前で歌を唄うのが当たり前だった時代が懐かしい。
ドリフ大爆笑
一方「ドリフ大爆笑」はフジテレビ系列の番組だった。
「ドリフ大爆笑」は火曜日の夜に放映されたと記憶している。
生番組だった「8時ダョ!全員集合」と違って「ドリフ大爆笑」は録画だったので、コントは綿密に作り込まれたものだった。
「8時ダョ!全員集合」ではやらない、「ドリフ大爆笑」でしか見られないコントもあった。
たとえば、
・バカ殿
・もしもシリーズ
・雷様
・バカ兄弟
などである。
このうち仲本工事が出演したコントで思い出深いのが「バカ兄弟」。
「バカ兄弟」は仲本工事(弟)といかりや長介(兄)が扮する兄弟のコントだ。
「バカ兄弟」では、兄弟に扮したいかりや長介と仲本工事が風船とともに登場する。
この風船はわたしにとって「バカ兄弟=風船」というふうに印象に残るアイテムである。
「バカ兄弟」では兄も弟も「バカ」なので話がかみ合わず、常にズレている。その掛け合いがシュールに感じられ、とても面白かった。
「バカ兄弟」のコントは今の時代では人権上の問題からテレビで放映できないだろう、という内容だった。
今となっては「バカ兄弟」の存在そのものが放送事故のようなものだが、昔はそういったコントを平気で放映していたのだ。