次世代の女性に伝えたいこと

私は次男を出産する前までずっと働いてきた。

働き始めたのは高校1年生の頃のバイトだった。

30年近く、ずっとずっと働いてきた。

もともと私は働くことが大好きなのだ。

次男を出産した後は仕事を辞めたので、その後、内職をちょっとする程度で、今はほとんど働いていない。

こんなに長い間(2年以上)働いていない状態は15歳以来だ。

お金をもらう仕事をしない時間が続くのは本当に久しぶりだ。

だから仕事を辞めた後「働かない=自分の懐にお金が入ってこない」状態に慣れるまでにとても時間がかかった

今は夫が稼いでくるお金の範囲内でやりくりしている。

 

私の世代

私が働き始めた頃、つまり私が高校1年生の頃に「男女雇用機会均等法」が施行された。

この頃は寿退社が当たり前で、結婚したら女性は退職するのが当たり前だった。

私が大学卒業を経て社会に出た後も、男女雇用機会均等法が施行されていたものの、依然として「寿退社は当たり前」という風潮があった。

だから、結婚後も職場で働き続け、出産を経て職場復帰する女性は、私の上の世代にはほとんどいなかった。

男性の上司には「女性も活躍する時代だから、女性も男性と同じように働いてほしい。」と言われてお尻をたたかれ、女性の上司からは「決して寿退社だけはしないでほしい。働き続ける女性の足を引っ張らないでくれ。」と懇願された。

そんな中で仕事を続けてきて、色々な経験をさせてもらった。

今思えば、色々な仕事のチャンスに恵まれて、私は幸せだったと思う。

 

子どもを育てるということ

今まで「これからは女性の時代だからがんばれ」と言われ続けて走ってきた。

いつの間にか時代は「女性だから男性の2倍がんばる」必要はなくなった。

いい時代になったものだ。

いつの間にか、当たり前のように育児休業が取得でき、がんばらなくても育児休業から職場復帰できる時代になった。

女性はもう頑張らなくてもいいのだ。

そんな中、仕事が好きで、働くことが好きで楽しいけれども、「仕事」と「育児」とは次元が違うと感じるようになっていた。

長男は仕事との両立に頭を悩ませながら子育てをしてきたが、忙しすぎて正直、長男の小さい頃は楽しかった記憶はない。

だから、次男の出産を機に仕事を辞め、子育てに専念することにした。

私には出世欲というものがない。

肩書というものに興味がないのだ。だから、あっさりと仕事を辞めた。

30年間、もう十分に働いてきたから、もういいのだ。

今、子育てに専念しているが、仕事をしていない分、本当に楽しく育児をしている。

フルで仕事をしながら育児をするなんて本当にもったいない!と思う。

人生1度でいいから、育児だけに没頭する時間があってもいいと思う。

仕事に没頭することは許されて、育児に没頭するのは許されない世の中はなんて窮屈なのだろう。

今は、赤ちゃんの頃から保育園に預けて働くことが主流になりつつある。

けれども、乳児(0~2歳児)を育てる間は育児を優先にして、仕事は細々と続けられても後ろ指刺されない世の中になってほしい。

うちには娘がいないが、もし娘がいたら、娘には「乳児を育てている間は仕事を中断するか、または緩く続けられるような仕事につけたらいいね。」と言いたい。

「育児」という文化が伝承されないのはすごく残念なことだ。