【ブルグミュラー25の練習曲】第3番・牧歌【大人ピアノ感想】
ブルグミュラー25の練習曲の第3番「牧歌」はゆったりとして落ち着いた雰囲気がある。
ト長調。8分の6拍子。
「牧歌」を聴いていると、スイス・アルプス地方の広い野原でバグパイプの音を聴きながら羊たちがゆっくりと歩く…そんな風景を思い起こさせる。
「牧歌」はト長調の主和音(ソシレ)が多用されるシンプルな曲でありながら、優しく穏やかで美しい旋律が特徴的だ。
「牧歌」を弾いていると、緑濃い牧草地を羊がゆっくりと歩いている、そんなのどかな風景が浮かぶ。
基本的な和音で構成されていて美しいのが素晴らしい。
ブルグミュラー25の練習曲のなかで大人が弾くほうが良い曲といえば、この「牧歌」と「アヴェマリア」、そして「天使の合唱」だと私は思う。
これらの曲は「大人の鑑賞に堪える」「大人になると良さが分かる」と言えばよいだろうか。
こどもが弾いてもピンと来ないけれど、大人が弾くと味わい深い。それが「牧歌」である。
「牧歌」はブルグミュラー25の練習曲のなかでテクニック的には難しくない(むしろ簡単な部類に入る)。けれども、豊かな表現が求められる。
「牧歌」はたとえば、バイエル後半レベルを練習中の大人ピアノの初級者の発表会向けに適している。
「牧歌」の譜読みはわりと早く仕上がるけれども、その先にある表現力を磨く練習が必要だと思った。