母の日と父の日

先週の日曜日、我が家の近くで近所の方とバッタリ会った。

聞くと、幼稚園に子どもを迎えに行った帰りだそうだ。

その日は、母の日の行事が幼稚園であったそうだ。

幼稚園での母の日の行事に出て、感激して泣いてしまったらしい。

 

父の日・母の日の行事

そう言えば、長男が通った2つの保育園ではどちらとも、母の日・父の日のイベントは一度もなかった。

保育園はひとり親家庭など、事情があるご家庭のお子さんが在籍していることが多い。

母の日・父の日イベントをやるのは、お母さん・お父さんのいない家庭の子どもがかわいそう、という判断で、保育園では母の日・父の日イベントはやらないところが多いのだろう。

一方で、今まで調べた限りでは、我が家の近隣のどこの幼稚園でも、5月に母の日・6月に父の日のイベントがある。

 

プレ保育でも

今まで幼稚園のプレ保育にいくつか参加してきた。

プレ保育でも5月に「母の日」にちなんだ活動をやった幼稚園もあった。

「母の日」に限らず、幼稚園のプレ保育では「お母さん」にちなんだ歌や踊りをやるし、親子のスキンシップをとるような踊りや手遊びが好んで行われる。

どこの幼稚園でも、親子の愛着形成を重要視しているのがよくわかる。

6月の「父の日」は、日曜日なのにわざわざ幼稚園に行き日曜参観をして、父親が参加する行事を行う幼稚園もお多い。

たいていの幼稚園では「父の日」イベントがある。

父の日では「お父さん、いつも仕事してくれてありがとう」という意味を込めて父親に感謝する機会を設けている。

 

保育園では

本来、幼稚園よりも預かり時間が長くて、しかも3歳未満の子どもたちも通う保育園のほうが幼稚園よりも、親と子の愛着形成を意識することが必要だろう。

保育園に通っている親子は、幼稚園に通っている親子と比べて、親と子が一緒にいられる時間が短い。

けれども、長男が通った2つの保育園では父の日・母の日のイベントはなかった。

それだけでなく、親と子の愛着形成の話など保育園の保護者会で一度も聞いたことがなかった

もちろん、保育園は就労支援のための施設で、保育園児の親は日中仕事をしている。

だから、平日昼間に親子行事を開催しようとしても、参加するのは難しいだろう。

とはいえ、保育園児の親が働いているからといって、愛着形成は不要というわけでは決してない。

ただ、幼稚園ではこれほどまでに母子の愛着形成を重要視しているのを見ると、どんな形でもよいから、保育園側から保護者に対して、子どもに目を向ける時間をできるだけ作るよう、保護者に意識してもらったほうが良いんじゃないか、と素人ながら思う。

保育園での保育士さん達はいつもいつも忙しいように見えた。

保護者会で愛着形成の話などしていられないほど、今の保育園は追い詰められているのだろうか。

 

昔の保育園では

私自身、保育園育ちだ。

私が通った保育園では当時、母の日・父の日の行事を毎年行っていた。

母の日・父の日のために、母親・父親へのプレゼントを工作で作って家に持って帰った記憶がある。

私の記憶に残っているのは、母の日のプレゼントとして、段ボール紙に母親の絵をクレヨンで描いて、洗濯ばさみを挟むための台紙を作ったことだ。

父の日のプレゼントは何だったか忘れた。

正直に言ってしまうと、当時、子どもにとっては母親のほうが重要だったのだろう。

長男が通っていた2つの保育園よりも、私が昔通っていた頃の保育園のほうが工作をたくさんしたと思う。

年長組になると、行事に使われる飾りを保育園の先生と一緒に自分たちでたくさん作った記憶がある。

昔は、保育園から16時過ぎに帰宅する子どもが多かった。

対照的に、今は18時過ぎても子どもたちは保育園にいる。

工作にせよ音楽教育にせよ園庭にせよ、昔の保育園のほうが今の保育園よりも、今の幼稚園と変わらない活動をしていたし、今の幼稚園に似た環境だったと思う。

 

マイノリティに対しての配慮

今でも父の日・母の日イベントが幼稚園で当たり前のように行われているということは、幼稚園の保護者の中では、ひとり親家庭や祖父母が子どもを養育する家庭が「マイノリティ」だから。

けれども、マイノリティだった人たちがマイノリティでなくなれば、当然、父の日・母の日イベントは幼稚園の行事からなくなるだろう。

父の日・母の日イベントが幼稚園からなくなるのと、幼稚園自体がなくなるのと、どっちが先だろうか。