祖母の職業は孫の世話に影響するか
孫の世話よりも日々の生活の糧が重要
長男を出産したとき、実母はまだ仕事をしていた。
私は、長男を出産した後しばらく長男(赤ちゃん)のお世話をしてもらえないか、実母に相談した。
実母は我が家のわりと近くに住んでいたので、孫の世話をするのはそれほど大変ではなかったはずだ。
けれども、当初、仕事をしていることを理由に実母からは長男の世話を断られた。
その後「もう年なんだから仕事を引退する時期だろう」と実父が実母を説得してくれた結果、実母はしぶしぶ仕事を辞め、長男(赤ちゃん)の世話を手伝ってくれることになった。
実際どうだったのかというと、実母は、たまに我が家に来て長男の世話をすることは確かにあった。
けれども、仕事を辞めたのにも関わらず、実母は私の産後ずっと我が家に居て長男の世話をしてはくれなかった。
孫にはあまり興味がないのだろうか?-実母は事務職として働いてきた期間が長くて、それほど子供好きではないのかもしれない。
孫はあまり可愛くないのだろうか?-実母にとってうちの長男は2人目の孫で、初孫というわけではなかった。
というように、実母が孫の世話に積極的でない原因をいろいろ考えてみた。
けれども、実際は、状況から判断して、どうやら実母は仕事を辞めることで生活が苦しくなることが心配だったようだ。
実母は孫の世話にかまけているよりも、働いて日々の生活の糧を得ることのほうが重要だったのだ。
今は祖母世代の多くが働いている。
そのせいか、私と同じように、赤ちゃんの祖母にあたる実母や義母に孫のお世話を頼んでも、仕事をしているから孫の世話にかまけていられないと孫のお世話を拒否されたママは結構多いはずだ。
鬼姑のせいで産後は休めなかったという過去
ところで、実母が孫(私の長男)の世話に興味がなかった理由はそれだけではないと思う。
姑である私の祖母は厳しい人だった。
そのせいで、実母は子どもを出産した後、わりと早くから姑(私の祖母)に家事を命じられたそうだ。
産後すぐから働かされている実母を目撃して、隣家のおばさんが「そんなに早くから動き回って大丈夫なの?」と心配してくれたそうだ。
産後早くから姑に働かされたという経験をしたせいか、実母は、女性はお産をした後はしばらくゆっくり休んだほうがいいと頭では分かっていても、私が出産した後に赤ちゃんの世話を自分が引き受け、娘である私が産後ゆっくりするのは合点がいかなかったようだ。
子ども関連の職業をしている祖母の場合
個人的な話だが、幼児教育関連の仕事をしている祖母世代の女性を何人か知っている。
彼女たちに特徴的なのは、娘が出産すると、自らの仕事をセーブしてまで娘と孫の世話を喜んで引き受けているということだ。
彼女たちは、娘の産後しばらくの間、赤ちゃんのお世話をしたり、自分の仕事が終わった後に孫の保育園のお迎えを引き受けたりしている。
もちろん、娘と孫のお世話を引き受けるには、祖母自身が元気なことや、自らの仕事をセーブしても生活が成り立つくらいご主人の収入基盤がしっかりしているという前提条件が必要だ。
けれども、祖母がお産をした娘と孫(赤ちゃん)の世話を積極的に引き受けてくれるかどうかは、祖母本人の「子ども好き」という資質も大きく影響すると感じる。
嬉々として孫の世話を引き受けている祖母世代の方々をみると、ちょっと羨ましい。