またもや悲しい事件が報道された

大阪で2歳の女児が室内に放置されて熱中症で死亡した事件が起きた。

何らかの事情があって、両親の代わりに祖母が2歳の孫を育てていたと聞く。

以前通っていた保育園を「送迎が大変だから」という理由で退園したのち、祖母は家で孫を養育していたそうだ。

実の孫だから・子どもを5人も育ててきた人だからと、家庭での養育を任せても大丈夫、と安心してしまったのだろうか。

孫を放置して死なせた祖母は、孫の発育に不安を抱えていたという。

発達支援センターでの面談の予約を直前になってキャンセルしたと報道された。

「魔の2歳児」と呼ばれる2歳児と一日中接するのはかなり大変だ。発達支援が必要なお子さんであれば、大変さはひとしおだ。

犯人になってしまった祖母の家族構成は、祖母とその内縁の夫・中学生の四男・まだ5歳の五男・2歳の孫。

血縁関係がない内縁の夫と孫が暮らしている時点で、保育園や幼稚園、療育機関など外の世界と繋がっていたほうが良いケースだったような気がする。

「保育園に通い続けていれば、こんなことにならなかったのかも」とどうしても思ってしまう。

女児が退園したとされる保育園に、経験豊富で勘の効く保育士さんがいれば「保育園と繋がっておくべき」家庭と判断され、保育園退園は回避できたような気もする。

実際のところ、どうだったのだろうか。

少し前までは待機児童でなかなか入園できなかった認可保育園に空きが増え始めている昨今、
定員が「空いた」分、困難さを抱えるご家庭のサポートに充てるようになれればいいなと思うが、そんなことは机上の空論なのだろうか。

それにしても、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くために、中学生の四男と2歳の孫を自宅に残して朝5時に外出したそうだ。

残された中学生の四男は、朝ひとりで起きて朝食をとり中学に登校したということか。

帰宅したらぐったりと倒れている姪を発見し、風呂場で水をかけるように電話で母親から指示されて処置をしたという四男が心配だ。

母親が逮捕されて、たった5歳の弟(五男)と残された中学生の四男はどうなるのだろう。

 

2022年7月7日追記

2022年7月7日付の報道で、事件2日前から2歳の孫と四男を自宅に残して、母親と内縁の夫と五男で旅行に出かけていたことが明らかになった。

2歳の姪の世話を押し付けられ、学校に行っている最中に姪が亡くなっていたのを発見した四男の気持ちを思うといたたまれない。

 

まだまだ血縁社会の日本

日本では、両親に子どもの養育能力がない場合、祖父母が養育するケースがまだまだ多いようだ。

両親が離婚して、両親の代わりに祖父母が孫を養育するケースもよく聞く。

そういえば、以前、新聞に掲載されていた「孫の面倒をみる祖父からの人生相談」が忘れられない。

息子が離婚して中学生の孫を引き取り、祖父の家で息子・孫が祖父といっしょに一緒に暮らし始めたが、息子は仕事が激務で忙しく、帰宅する時間も遅い。

そこで、ふだんは息子の代わりに祖父が孫の世話をみている。

孫は塾に楽しく通っているが、通塾の効果があるかはよく分からない。

受験が近くなり、孫がきちんと勉強をしているか祖父は心配で、祖父が問題を作って孫にやらせている。

「孫がきちんと成長するか心配」というのが祖父からの相談の内容だった。

食事の世話だけでなく、勉強まで見てあげている祖父もいるのだ。ここまで祖父が目と手をかけていたら心配する必要はないと思った。

こういう話を聞くと、日本はまだまだ血縁社会なのだと実感させられる。