種痘ワクチンの接種跡

私の上腕には小さな丸い跡が2つ残っている。

種痘(天然痘ワクチン)の接種跡だ。

天然痘が撲滅したとされて1976年に定期接種が中止されるまで、日本国内では多くの人が天然痘ワクチンを接種していた。

夫の腕にも種痘の接種跡が2つある。

後期高齢者である私の母に至っては、腕に3つも種痘の接種跡があるのだ。

私の種痘の跡は目をこらさなければよく見えない。こどもの頃は、もっとはっきりと種痘の跡が浮き出ていたと思う。

一方で、母の腕にある種痘の接種跡はケロイドのように白くなってケロイドのように周りから浮き上がってみえる。

若い頃は目立たなかった種痘の接種跡は、高齢になるとくっきりと浮き出てくるものなのだろうか。

 

天然痘ワクチン:1976年に定期接種が中止

天然痘ワクチンはサル痘にも効果があるといわれている。

1976年に天然痘ワクチンの定期接種が中止になったせいで、それ以降に生まれたほとんどの人は天然痘ワクチンを接種していない。

一方で、高齢者はこどもの頃に3回接種している人が多数を占めるのだ。

種痘ワクチンを接種した経験から、天然痘のおそろしさを理解している高齢者世代と比べて、天然痘のおそろしさがピンと来ていない若い人は多いのだろうか。

天然痘というと、少女漫画『ベルサイユのばら』でルイ15世(マリー=アントワネットの夫であるルイ16世の祖父)が天然痘で亡くなる場面が頭をよぎる。

ただ、サル痘は天然痘よりはずっと症状が軽いといわれている。

 

種痘(天然痘ワクチン)接種後の抗体保有率

2006年発表と少し古いが、種痘接種後の抗体保有率について調査した文献がある。

種痘廃止して 28 年目の痘瘡抗体保有状況

上の文献によれば、定期接種の中止から相当時間が経っても、種痘3回接種済の高齢者は抗体を保有している可能性が高いようである。

日本ではバイオテロに備えて天然痘ワクチンの備蓄があるらしい。

種痘を接種していない1976年以降に生まれた人から優先的に天然痘ワクチンを接種することになるのだろう。

特にこどもたちへの天然痘ワクチンの接種を優先してすすめてほしい

 

サル痘の治療薬

サル痘の治療薬「テコビリマット」は米国で2018年に認可されたそうである。

今回のサル痘の感染拡大を思うと、なんだかタイミングが良い話である。