「異次元の少子化対策」働かない者にはエサをあげない

岸田首相が2023年の年明け早々「異次元の少子化対策」なる少子化対策を発表した。

「異次元の少子化対策」というと、まるで宇宙旅行にでも出かけるかのような壮大な計画に聞こえる。

課題多い「異次元の少子化対策」 首相は「政府の本気度示す」 - 産経ニュース

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岸田首相が発表した少子化対策は、2022年の出生数が80万人を割り込み、少子化が止まりそうにないのを受けてのことだろう。

このブログでも再三にわたり取り上げているが、この程度の施策では少子化は止まらない。大方の人もそう思っているだろう。

 

働かない者にはエサをやらない

今回の「異次元の少子化対策」による提言で挙げられたのは、「学童保育・産後ケア・病児保育・ベビーシッター・育児休業の拡充」である。

産後ケアを除けば、いつものごとく「働く者にはエサをやる」「働かない者にはエサをやらない」施策だ。

非正規雇用の人や自営業者にも子育て給付金を支給する方向で調整が進められているが、働いていない専業主婦は対象外らしい。

 

待機児童解消のための保育所増設に代表されるように、働かない者は子どもを産んでも恩恵を受けられない施策ばかり進められる。

人手不足を解消するためには女性の労働力が不可欠なのだ。

そして、産んでも働かなければエサはもらえない。

つまり「働かない者には、たとえ子どもを産んでもエサをやらない」点で、直近20年の日本の少子化施策は、少子化対策ではなく雇用政策・経済施策なのだ。

この国の女性はまるでブロイラーのごとく扱われる。

この国の子育て関連対策が、少子化対策のフリをした経済対策であると気づいてから、疲弊しながら仕事と子育てを両立して働くのが馬鹿馬鹿しくなった。

外勤フルタイムの仕事を止めてからは我が家では貧乏暮らしが続いているが、収入が減ってひもじい生活を余儀なくされているデメリットよりも、仕事と育児の調整で神経をすり減らすのがなくなったメリットのほうが私にとっては大きい。