理系女子を増やしたいのは分かるけど
なにやら国をあげて理系女子(リケジョ)の発掘に乗り出している。
いろいろな取り組みが功を奏して、理系女子は今後増えていくのだろう。
でも残念ながら、理系女子が増える分野は限られるだろうね、きっと。
理系女子が増える分野
つまり理系女子が増えるのは
・医師・看護師・薬剤師・理学療法士などの医療従事者
・理科・数学・技術などの学校教師
・公務員
という分野に集中すると予測する。
将来は医師の過半数が女性になるだろうね。療法士系の資格も女性だらけになるだろう。
男性に比べて女性は現実的な進路選択をするからね。
女の子は地元に残ってほしい
女の子には親元に残ってほしいというのが親心である。
女性としても、仕事を持ちながら働くときにそばに親が住んでいたほうが助かる。
女性が地元で就職するならば、医療従事者・先生・公務員のどれかしかないと昔から言われている。
やっぱり今でもそうなのだ。
医療従事者・教師・公務員ならば地方でも仕事がある。
女性が理学部・工学部に進むリスク
工場や研究所というのはふつう、人が少ない地方にあることが多い。
自分がこの地方に住みたいと思ったとき、自分の仕事に関連する工場や研究所がそこにあるとは限らない。
理学部や工学部を卒業した女性が工場がある地方勤務になったら、土地勘がない場所で地味に暮らすことになる。
下手すりゃ会社以外の出会いの場がなくて独身のまま地方でずっと暮らす羽目になる。
大学で勉強したことを活かそうと思っても、自分の専門分野を活かせる企業が実家周辺にはないのが普通だ。
もちろん「都会でコンサル」という仕事もあるだろう。が、そういう仕事は一部の優秀な人たち向けの仕事である。
IT系ならば場所を選ばずとも働ける可能性はある。でも実験系は厳しいね。
先生になるつもりならば良いけれども、女性が理学部・工学部に進むのはそれなりのリスクがある。
理系女子を増やすプロジェクトを取り仕切っているのは大学の偉い先生方や企業の偉いさんだと思うんだけど…研究さえ出来ればどこに住んでも構わないと思っている大学の偉い先生方や、社畜として仕事を最優先して今の地位まで昇り詰めた大企業の偉い人たちには、一般市民はまず「家族が大切」・「どういう暮らしができるかが大切」だってこと、分かっていないんだよね。
私立理系大学の学費が高すぎる
国公立大学なら学費が安いから、まだいい。
けれども、私立の理系大学の学費は1年間で200万円前後。
私立理系大学に進学すると4年間で約800万円・大学院まで進めば6年間で約1,200万円の学費がかかる。まったく、このお金があれば、小さな平屋建ての家をひとつ建てられちゃうほどの額だよ。
ああ、昔みたいに学費がもっと安かったら、自分で決めた進路について自分で学費を払うことができるんだけどなあ。年間200万円をアルバイトで稼ぐのはちょっと大変すぎる。
国が理工系人材を増やしたいと思っているならば、まずは、私立大学理工系学部の高額な学費をなんとかしたほうがいいと思うよ。今みたいに、低所得者にだけ補助金を出す、みたいなやり方じゃなくってさ。
奨学金という手もあるけれども、奨学金を利用すると、私立理系大学・大学院ルートだと1,200万円の借金を背負って世の中に出ることになる。
今は、貧しい家庭の子どもは、理系に進みたいならば勉強をがんばって国公立大学に進まざるを得ない。生活にある程度の余裕がある家庭じゃないと私立理系大学に進めないのだ。
そもそも、果たして、高額な学費に見合うリターンはあるのだろうか。
それだったら、理系女子は医療系に進むか(医師・看護師・薬剤師・理学療法士…etc)、理学部工学部を出て教師か公務員になるのが無難だ。
医療従事者・教師・公務員なら、実家にUターン就職するときに仕事が見つかりやすい。
優秀な頭脳を持つ人材がみんな医学部に流れていることが問題になっているけれど、女性ではそれがもっと顕著だと思うよ。