公立幼稚園の廃園に思うこと

幼保無償化以降、公立幼稚園の廃園が加速しているそうだ。

次男が卒園した園はしばらくは存続するだろうが、将来は存続するか怪しい。

公立幼稚園の廃園に関してはもどかしい思いでいっぱいだ。

 

幼保無償化以降、幼稚園の廃園が増加

幼保無償化以降、何も対策を講じなければ、公立幼稚園がどんどん廃園していくことは専門家が予測していた。私もそうなるだろうと思っていた。

幼保無償化から3年が経った現在、全国の公立幼稚園の廃園がいよいよ現実化してきた。

公立幼稚園はいまだに2年保育のところが多い。

公立幼稚園の教育環境の良さを評価して、公立幼稚園をできるだけ早い段階でこども園に転換したほうが、こどもたちが質の高い教育を受けられると述べる専門家もいた。

保育士不足でやっとのことで保育士を集めている新設の保育園を増やすよりも、教育環境がすでに整っている公立幼稚園をこども園に転換するほうが、こどもたちは良い教育を受けられるからだ。

 

幼稚園の定員割れ

幼保無償化以前は公立私立問わず、どこの幼稚園にも入れなかった。

それが、幼保無償化から4年近くになる、多くの幼稚園で定員割れが起きている。

公立幼稚園の園長先生は経営者ではない。あくまで「自治体から園の運営管理を任された者」なのだ。

だから、公立幼稚園の園長先生は私企業の経営者のように、情勢をみて機敏に方針を変えることが立場上できない。

もし自分が公立幼稚園の園長で、私企業の経営者のように臨機応変に園を運営できるならば、幼保無償化が行われる前に公立幼稚園を3年保育中心に変えたと思う。

そうすれば、波風立てずに公立幼稚園の定員をある程度は埋めることができたはずだ。

けれども、そういう機に応じた改革ができないのが公立園・学校というものなのだ。

今となっては、公立幼稚園を3年保育枠中心に変えようとしても、定員割れが起きている周りの私立幼稚園が素直に応じるとは思えない。

私立幼稚園にとって公立幼稚園の定員を増やすことは将来の園児を奪われることになり、自分たちの首を絞めることになるからだ。

 

公立園の運営方針が裏目に出ている

どんなに些細なことでも保護者の「話し合い」が必要・園のやり方ひとつ変えるのにも保護者の承認が必要・何かを変えるためには莫大な時間と手間が必要~そういう公立園の運営方針が裏目に出てしまっている。

「なんでも話し合い」という公立幼稚園の意思決定の仕方は、全国の公立幼稚園の廃園の増加と無関係ではないと私は思っている。

ただ、民間企業に勤めていた私からすると、廃園問題に関しては私企業のトップダウン式の迅速な意思決定が羨ましくなる。

 

最後に

のんびりしていてこどもを第一に考えてくれるところが公立幼稚園の良さだ。

私はそこが好きなのだ。

公立のままでその教育方針が今と変わらないならば、次男が通った公立幼稚園はこども園に転換してもいいから存続をしてほしいと私は思っている。

けれども、公立幼稚園のままでの存続を求め続けるならば、次男が通った公立幼稚園は定員割れの人数が少しずつ増えて、いずれは廃園になってしまうだろう。

とても残念で悲しいことだけれど。