高校受験か中学受験か(極私的な感想・2023年)

わたしが住む地区では、中学受験で都立中高一貫校だけを受験し、不合格ならば公立中学に進学する子どもがわりと多い。

この10年間ずっと、そういう風潮が続いている。

ただ、都立中高一貫校には簡単に合格できないという認識が浸透し始めたせいだろうか、10年前に比べると都立中高一貫校への受験熱はおさまっている。

そして、中学受験で都立中高一貫校のみを受験して不合格になり公立中学に進学した生徒の多くが、都立上位校(自校問題作成校)を受験する、らしい。

中学受験で不合格だったから高校受験で挽回する。

一種のリベンジだ。

 

公立中高一貫校の入試問題

「公立中高一貫校の入試問題は地頭が良くないと解けない」と言われている。

公立中高一貫校の試験では、正解かどうかよりも思考力を判断しているからだ。

逆に言うと、地頭が良ければ、小4からガチで中学受験準備をしなくても合格する可能性がある、ということだ。

わが子が早生タイプ(発達が早い)ならば、私立を受験せず、公立中高一貫1本に絞り受験するのも手だろう。

 

中高一貫校のメリット

中高一貫校のメリットのひとつは言うまでもなく「高校入試がない」ということ。

高校入試がない分、授業では実験・レポート作成・校外学習&私生活では趣味に没頭する等、公立中学では手薄なことに時間を割ける。

なかでも、公立の中高一貫校は学費が安いから助かる。

今の公立中学は、教師の指示にしたがって真面目に授業を聞く・課題をきちんと提出する・期限を守ることに常に追われる。

でも、都立上位校に進学できるような生徒ならば、課題をきちんと提出する・期限を守る、なんてことは、わざわざ公立中学で指導(訓練?)を受けなくても当たり前のようにできるのだ。

それにも関わらず、ほとんどの公立中学では、誰もかれもが課題提出でがんじがらめにされる。

これは本当に時間と手間の無駄だと思う。

「教師の言うことを聞いて内申を稼げば都立上位校に入れるかもしれない」みたいな曖昧な夢を持たせて内申点で生徒を管理する。

都立上位校はまるで「生徒を管理するための釣餌」だ。

でも、無駄な課題提出がなければ、本を読む時間だって十分にとれるのに、と思う。

公立中学で提出物と部活に追われる生活を送っていると、本を読む時間すら、ない。

そして、仮に、都立上位校に運良く進学できたとしても、高校3年間で大学受験のための詰め込み勉強をすることになる。

 

内申が悪い場合(私立高校を受験するか、ランクを落とした都立高校に進学するか)

公立中学で十分な内申がとれない場合、私立高校を受験するか、ランクを落とした都立高校を受験することになる。

 

私立高校に進学する場合

私立高校への進学を希望するならば、公立中学での内申点取り合戦に加わらなくてすむ代わりに、高い学費を払うことになる。

高校受験で早慶付属に進学すると、100%近くが付属の大学に進学するので、大学進学の選択肢は狭まる。他大に進学する生徒もいるだろうが、他大に進学するならば、エスカレータ式で大学進学する予定の同級生のなかで大学受験への意思を強く持ち続ける必要があるだろう。

早慶以外の私立付属校には、他大学に進学できるところもあるけれど、高校の学費と塾の学費の両方が必要になるので、他大学に進学したい場合、金銭的な負担が大きい。

 

都立高校に進学する場合

一方、ランクを落として都立高校を受験する場合、受験校をじゅうぶんに吟味しなければならない。

最近は進学実績をあげるために、私立校を模して、大量の課題で生徒を縛る都立高校がある。

都立2番手校・3番手校にそういう管理型の高校があるように見受けられる(都立2番手校・3番手校が全部、管理型というわけではない)。

公立中学でも都立高校に入ってからも、提出物でがんじがらめになると、勉強が受け身になってしまうだけでなく、こども自身でじっくり考える時間がなくなってしまう。

これは、とても大きなデメリットだと思う。

本を読んだり、友だちと語り合ったり、ぼんやりと過ごしたりする時間が高校生には必要だ。

 

極私的な感想

自分のペースで勉強したい・自分で考えて行動したい次男には、公立中学に進学して高校受験するよりも、中高一貫校が合っているような気がする。

わたし自身が高校受験した経験からして、小学校時代は中学受験の勉強をするよりも、きちんと遊んだほうが良いと思っている。

次男には、小学校時代にきちんと遊び、中高時代に自分で考える時間がつくれるようにしてあげたい。

自分のことは自分で決めないと気が済まない次男なので、進路について時間をかけてじっくりと次男と話をして、次男に進路を決めてもらうつもりだ。