習い事としてのピアノ

現在小1の次男はピアノを5歳の頃からピアノを習っている。

次男いわく小学校の音楽の授業では「ドレミが分かる子がいない」と話す。

「歌を歌う時『ドレミ』で唄える子がほとんど居ないんだよ」と次男は言う。

そういえば、次男が通った幼稚園ではピアノを習っている同級生は3人に1人くらいだった。今の時代にしてはピアノを習っている子がわりと多い園だった。保育園全盛の今の時代に幼稚園に通わせる親は、多かれ少なかれ教育熱心な人だ。

一方、次男が通う小学校でピアノを習っている子の割合は幼稚園よりぐっと少ない。ピアノを習っている子は、次男のクラスでは1クラスに3,4人という感じ。

スイミングや体操、サッカーを習っている子どもは多いけれど、ピアノを習っていることをほかの保護者に話すと「ピアノ習っているんだ~」と驚かれる。

ピアノ教室に行けば習いに来ている子どもに遭遇するけれども、実際は、以前と比べるとピアノを習っている子はかなり減っていると感じる。

今の小学生の親は、自分が子どもの頃にピアノを習わなかった人の割合が多い世代が中心である。

 

ピアノの生産台数の推移

日本のピアノの生産台数は1980年前後にピークを迎え、その後、急激に生産台数は減少していった。

最盛期である1980年初頭には年間40万台のピアノが日本で生産されていた(「2018年とこれからの音楽教育」、久保田慶一著より)。

それが、10年後の1990年代初頭にピアノの生産台数は年間20万台以下に急落した。

 

今の小学校低学年児童の親は、1990年前後生まれが中心である。

親自身がピアノを習った経験が少ないのだから、こどもの習い事としてピアノを選択をしない親が増えるのは自然な流れかもしれない。

 

直近10年ほどのピアノの生産台数は年間3.5万台前後で推移する。

ピアノの出荷量、出荷額日本一|静岡県公式ホームページ (pref.shizuoka.jp)

[しんきん経済レポート]ピアノの街浜松の復活はあるか♪| しんきん経済研究所 (shinkinkeizai.jp)

 

今は、全盛期(1980年初頭)の10分の1以下しかピアノは生産されていない(とはいえ、ピアノの生産台数の減少はピアノを習う子どもの数の減少だけでなく、電子ピアノの普及も大きく影響していると考えられる)。

ちなみに、ピアノの生産台数について全国に占める静岡県の割合は100%である(日本で生産されるピアノはほぼ静岡県産)。

静岡県のピアノ生産台数≒日本のピアノの生産台数といえる。

 

小学校2年生、小学校3年生…と学年が進むと音楽の教科書に楽譜が登場する機会が増える。

「音楽力を伸ばす「譜読みの基本」楽譜攻略13のステップ」(山本美芽著)によれば、合奏の時、譜読みできる子が譜読みできない子の楽譜にカタカナでドレミをカナ振りしたり、音楽の先生の助手としてパートリーダーを務めたりするらしい。

次男が通う小学校でも高学年になると鼓笛がある。

次男のクラスでは譜読みができない子が大多数だという様子からすると、次男が通う小学校でも、一部の「楽譜の読める子」が楽譜の読めない子を手伝うことで小学校の鼓笛隊が成り立っていると思われる。

子どもたちの音楽の素養がわたしたちの世代から大きく後退しているようで残念でならない。