PISA(国際学習到達度調査)の結果(2022年)について思うこと

経済協力開発機構(OECD)が2022年に実施した「国際学習到達度調査( PISAピザ )」の結果が公表された。

日本の「読解力」は過去最高の3位とのこと。

2020年度以降に実施されている学習指導要領では思考力の育成を重視している。

文部科学省は、授業改善が進んだことなどを今回の成績回復の要因に挙げている。

 

日本の15歳「読解力」、過去最高3位に…コロナ禍で休校期間が短かったこと影響か

 

今までいろいろと調べた結果、私は、PISAの順位はあまりあてにならないと思っている(あくまで個人的な意見である)。

なぜなら、あまりにも順位の変動が大きいからだ(元文部科学事務次官の前川氏もその旨を著書で指摘している)。

前回2018年の調査では日本の15歳の「読解力」は15位だった。

それが今回は3位に急上昇している。

調査結果についてはあまり深入りせず「日本はいつも上位にはいっている」くらいの感覚で良いんじゃないか。

 

記事によれば、今回のPISAは、無作為で抽出された183校の高校1年生約6,000人が参加した。

全国の高校数は約5,000校あるので、今回の調査に参加したのは全国の高校の約5%(≒183/5,000)である。

PISA調査に参加する高校は無作為で抽出されるそうだ。

 

高校は公立小中学校と違い、1つの高校に成績がピンからキリの人まで全部いるわけではない

無作為で選ばれた高校はどんな属性の高校が多かったのか(進学校なのか教育困難校なのか)で結果はかなり影響されるはず

中高一貫校以外に通う大多数の高校生は、高校入試にて成績で振り分けられた高校に入学する。

特に東京などは高校数が多く、高校受験で成績が細かく輪切りにされたうえで高校に入学するため、生徒の学力は高校ごとにかなりの差がある(東京都内の高校の数は約400校。全国の高校の10%近くを占める)。

 

今回「読解力」の順位が上がったのは、たまたま、学力が高い高校が多く選ばれたからじゃないか?(PISAは調査に参加した高校名を公表していないので、真相は闇の中だ)。

近年生徒が増加中の通信制高校なんかは調査の対象に入っていないんだろう、きっと。

調査に参加している他国でも同様のことが起きている可能性もある。

本来は、公立小中学校のように成績がピンからキリまでいる学校が調査に参加したうえでの結果じゃないと、正確な評価は出来ないと思うのだが。