読み書きを教えない園で何も問題なかった
次男は、文字の読み書きを教えない「のびのび系」の園に通っていた。
次男が通っていた「のびのび系」の園では、こどもたちに物事を教え込むことは極力控え、こどもたちが自発的に遊ぶことを重視していた。文字の読み書きドリル類をすることはなかった。
今、次男の小学校生活の最初の1年が終わろうとしている。
結論として、次男は文字の読み書きを教えない園に通ったことは、次男の勉強にはまったく影響がなかった。
次男は今では、学校の授業などで自分の感想を自由に書けるようになっている。
就学時健診で文字の読み書きをチェックされる
少し前まで公立小は「文字の読み書きは小学校に入学してからやるから大丈夫」というスタンスだった。
ところが最近は、就学時健診で「少なくとも自分の名前が読めて書けるか」が小学校入学でチェックされるようになっている。
就学前に字の読み書きができるかをチェックするようになったのは、発達障害の早期発見のためだろう。
また、学習指導要領の改訂で小学校でやることが増えた結果、文字の読み書きをしっかり学習する時間が小学校でとれないことも影響しているのかもしれない。
小1で文字の読み書きをしっかり指導する時間がとれないのはどう考えても問題だ。
小学校で読み書きの時間を削って、一体、何をするというのだろうか。
文字の読み書きを園で習わなくても、家庭で文字を教え込まなくても、次男は年長組の頃には拙いながらもひらがなを書いていた。
次男は文字の読み書きに関して平均的な発達の範疇だと思う。まわりのこどもたちの大多数は次男と似たような感じだった。
ひらがな習得の時期は早まっているのに
今は、8割前後のこどもが就学前に文字(ひらがな)を書けるようになるといわれている。
昔よりもひらがな習得のペースが早まっているのは、こどもちゃれんじや公文などが普及しているからだろう。
そうは言っても、文字を書くのが苦手な子は一定数居る。
園に通っていた頃も、こどもがひらがなを覚えたがらないことを心配する保護者が何人か居た。
個人的には、小学校入学早々、急いでひらがなを覚えさせなくてもいいのに、と思う。
シュタイナー教育もそういう考え方である。
そういえば昔はのんびりしていた。
私が小学生の頃は、小学生になってからひらがなを学習する子どもが多数派だった。
小1の終わり頃まで、もっと言えば小2の半ばくらいまでにひらがなが書けるようになればいい、という感じで保護者はのんびり構えていた。それでも、小学校卒業までには一通りのことがきちんとできるようになったのだ。
小1の終わり頃までにひらがな読み書きができるようになればいい、と構えていられるほうが保護者は気楽だし、こどもものんびり過ごすことができる。
昔よりもずっと早いペースで文字の習得をせかされている子どもたちが気の毒に感じる。
けれども、今のこどもたちのひらがな習得の時期が親世代よりも早まっているのに関わらず、こどもたちの国語力は全体的に落ちているといわれている。
それはどうしてだろうか。