育休手当(育児休業給付金)のもらい逃げについて思うこと
出産後、育児休業給付金(育休手当)を受け取りながらも職場復帰せずに退職する人がいる。
言葉は悪いが「育休手当もらい逃げ」というやつだ。
「もらい逃げ」とはいえ、中には、産後に体調を崩して復職できなくなる人や、夫の転勤により復職できない人もいるから、育休手当をもらって復職せず退職する人を一概に責めるべきではない。
ただ、確信犯的に育休手当をもらい逃げる人が世の中には少なくない。
育休手当をもらい逃げる人はずっと前、昭和の時代から存在した。
わたしはというと…わたしは育休手当というものをもらったことがない。
長男のときは産後2か月で職場復帰したので育休手当をもらわなかったし、次男を出産した後にほどなく退職したからだ。
次男を出産したときにはまだ在職していたから、やろうと思えば、次男の出産後もそのまま在職し、確信犯的に、復職せずに育休手当をもらい逃げして退職することもできた。
でも、わたしは育休手当をもらうのは止めた。
なぜなら、わたしには復職する気がなかったから。
復職する気もないのに総務の手を煩わせて育休手当をもらい続けるのは「人としてどうか」と思ったからだ。
わたしが勤務していた会社は小さな会社だった。
社員が育休手当を受け取るためには、総務の人が2か月に1度ハローワークに書類を提出しなければならない。.
そのほかにも、社員が育児休業を取得する際には、総務の人が色々な書類をハローワークなどの関係機関に提出しなければならない。
つまり、社員が育児休業をとるためには、総務の人に色々と動いてもらう必要があるのだ。
仮に育児休業を2年取得するならば、その間はずっと、会社からは定期的に関係機関に書類を申請しなければならない。育休手当をもらっている間はずっと会社では事務処理が発生するのだ。
社員が何百人も何千人もいるような大企業ならば、育児休業を取る人がひとりぐらい増えてもどうってことはないだろう。
でも小さな企業で、育児休業の申請業務を誰が担当しているのか見える状況で、総務の人の仕事を増やしてまで育児休業手当をもらい逃げする気にはわたしはなれなかった。
専業主婦は育休手当がもらえないことを考えれば、「育休手当もらい逃げ」は正直、不公平感がある。
ちなみに、育休期間は社会保険料の支払いが免除される。
育児休業中の人は社会保険料を支払わない点で専業主婦と同じだけれども、自分の手で子育てしている専業主婦と同じ立場でありながら育休手当(お金)がもらえる点で専業主婦より恵まれている。
どうやら2025年4月から育休手当の支給要件が厳格化されるようだ。
育休手当支給要件の厳格化は、育休手当をもらい逃げして退職した人の存在が少なからず影響しているはずだ。