小学生の英語学習について感じていること【2025年1月】

小学校で学習する英語の内容を聞いていて思った。

「こどもが英文法を理解できるレベルになったら、家庭学習などで英文法をきちんと意識させたほうがいい」ということを。

もちろん、英文法を学ぶには「子どもが英文法を理解できるレベルにある」という条件がつくけれど。

 

最初から、英語の文には一般動詞の文とbe動詞の文の2つがあることを意識していたほうがいい。

 

今の公教育での英語教育の進め方は相当、問題があると思う。

文法を重視し過ぎる昔の英語教育の方がまだまし、かもしれない。

 

義務教育での「英語」の学習内容は昔と比べて格段に増えている。

まず、学習すべき英単語の数が格段に増えた。

そして、英語の学習進度が早く・速くなった。

 

結果として、学習時期が少しずつ前倒しになっている。

今は、
親世代では中2で習った内容(一般動詞の過去形)を中1で学習し、
親世代では中3で習った内容(現在完了)を中2で学習し、
親世代では高校で習った内容(現在完了進行形・仮定法過去)を中3で学習する
ことになった。

 

中学校での英語の学習進度が早くなったぶん、小学校のうちから英文法を学ぶのか、というと、そうではない。

小学英語は「習うより慣れろ」という方針で、深い意味を考えず、まずは英文を丸覚えして話して英語でコミュニケーションをとる、という方針だ。

 

具体的に言うと、小学英語では一般動詞の文とbe動詞の文がごちゃまぜになって登場し、英文を丸覚えさせられる。

一例を挙げると、小学校の英語の授業では、状況に合わせて、"What's your name?"という文と、"What sports do you like?"と文を選んで話す。

直訳すれば、"What's your name?” =「あなたの名前は何ですか?」、"What sports do you like?"=「あなたは何のスポーツが好きですか?」だが、英文法を知らない小学生は英文の正確な意味など知っているわけがない。

だから、こどもたちは英文を丸覚えすることになる。

 

そして、中学校に入っても文法軽視は続く。

小学英語と同様、一般動詞とbe動詞が「ごちゃまぜ」の状態で中学英語教科書に登場する。

NHKの基礎英語やベネッセの英語学習アプリでも同様の方針だ。のっけから一般動詞の文とbe動詞の文が登場する。

 

英語のシャワーを浴びるように英文を丸覚えさせる方法で英語力が身に付くのは、

(1)もともと賢い子
(2)語学の才能がある子
(3)英語に触れる機会が特段に多い子

のどれかだ。

 

わが家の次男のように特別な英語学習をしていない子は英文丸覚えでは英語力がつかない。

 

今は、中学校での英語の授業についていけるよう、小学生から英語を家庭学習しておいたほうがいいと言われている。

「学校教育の尻ぬぐい」みたいな位置づけで小学生の頃から英語学習を家庭で補完しなければならないのって、なんとかならないのか。