【ブルグミュラー25の練習曲】第15番・バラード【大人ピアノ感想】

ブルグミュラー25の練習曲・第15番の「バラード」といえば、第2番の「アラベスク」と並んで、ピアノの発表会では「定番中の定番」といえる曲である。

 

この「バラード」という曲は「発表会で失敗を起こしにくい」と思う。個人的には、発表会用の曲としておススメする。

なぜなら、冒頭の左手パート(ドシドソラシ…)以外は弾きにくい個所がない。

冒頭の右手パートにもある、曲全体がハ短調の「ド ミ♭ ソ」という和音をベースにして構成されているから、ミスしにくい。

ちなみに、冒頭部分は左手が主旋律になので左手の良い練習になる(いかに力まず弾けるかが大切)。

 

「バラード」は、ハ短調の不安定でおどろおどろしい曲調が特徴的だ。

途中で転調してハ長調になり、ふたたびハ短調に戻る(いわゆるA-B-A型)。

 

転調した後のハ長調の部分は、まるで雨が止んだ後の青空みたいに「すがすがしく・優雅に・明るく・歯切れ良く」演奏したい。

ハ短調のおどろおどろしい部分とハ長調の優雅な旋律を弾き分けるのが面白い。

きっと全国のちびっこたちもそう思っているに違いない。

でも、ハ長調からハ短調へのふたたび転調した後でまた嵐がやってくるという、ドラマチックな展開になっている。

 

なぜだか分からないけれど、ピアノの発表会で「バラード」を弾くのはたいてい男の子である。

「やさしい花」や「天使の合唱」みたいなソフトで優しい曲を発表会で男の子が弾くのも良いと思うけれどね。