最近の謝恩会事情

もうすぐ12月。

園や学校の謝恩会の準備をはじめる時期である。

コロナ禍で今年3月の謝恩会が中止になった園・学校はかなりにのぼるだろう。

果たして来年3月の卒業式シーズンでは謝恩会は行われるのだろうか。

 

幼稚園の謝恩会

幼稚園では毎年、昔ながらに謝恩会をやるところが多いと思う。

謝恩会の費用をあらかじめ積み立てている幼稚園も多い。

幼稚園の謝恩会や卒園式は子どものためというよりも、親を感動させるためにあるといっても過言ではない。

 

保育園の謝恩会


公立保育園での思い出

公立保育園に勤務する保育士の先生方は公務員だ。

公立保育園の場合、公務員である先生方が謝恩会に無料で参加すると接待を受けることになり、問題になる。

「会費を払う・払わないに関わらず、謝恩会の類にはいっさい参加しないように」と職員に指示する公立保育園の園長先生もいる。

長男が通った公立保育園の園長先がそのスタンスだった。

最近は公務員の収賄について厳しい目で見られることが多いせいだろうか、「接待」と捉えられるおそれがある行動を認めない管理職もいる。

結局、長男が通った公立保育園では「謝恩会はなし」

担任の先生抜きで保護者と子どもたちだけでの食事会で終わった。

一方で「先生方が会費を払えば謝恩会に参加してもよい」とする管理職もいる。

長男が通う小学校の校長先生がそのスタンスだった。

どちらにせよ、公立の場合、先生方の謝恩会への参加が収賄と判断されないよう「保護者が謝恩会に先生方を無料で招待するのは避けるべき」だろう。

 

私立保育園の思い出

私立保育園は公のものではないので、私立保育園の保護者は謝恩会に保育園の先生方を自由に招待できる。

ただ、私立保育園の場合、保護者が働いていて謝恩会の準備をするのが大変だし、いろいろな保護者がいて謝恩会や卒業記念品の金額をめぐってトラブルになりやすい

実際、長男が通っていた私立保育園でも謝恩会の費用を巡って不満を漏らす保護者がいたのを思い出す。

幼稚園というのはわりと似通った考えの保護者が集まっているので、謝恩会の費用や内容をめぐって大きなトラブルになることは保育園よりも少ない。

一方で、認可保育園の入所者は役所が選考するため、私立保育園にはセレブな保護者もいるし、生活に困窮している保護者もいる

「保育園の保護者にはいろいろな人がいて、保護者によって金銭感覚がかなり違う」ことがトラブルの元凶だと思う。

たとえば、セレブな保護者が中心となって謝恩会が企画運営されると、謝恩会の会場・費用・内容や卒業記念品が豪華になり、謝恩会や卒業記念品として保護者が負担する金額に不満をもらす保護者が出る。

謝恩会の会費1万円を「高すぎる」と感じる保護者と「妥当な額だ」と感じる保護者が保育園では共存するのだ。

会費を抑えて手ごろな謝恩会をすれば「これでは先生方に感謝の意が伝わらない」と不満を述べる保護者がいる一方で、豪華な謝恩会をすれば「金銭的に苦しい」と不満を述べる保護者がいる。

こういう不毛なやり取りをみていると、私立保育園側が潔く「謝恩会の類いは一切辞退する」と宣言してくれれば、保護者が神経をすり減らすことがなくて済むのにと思う。