リトミックブームの裏で
以前の記事で取り上げた通り(最近のリトミックブームに関する雑感・リトミックの効果)、最近はリトミックを取り入れる幼稚園・保育園が増えている。
我が家の近所でも、キリスト教系の幼稚園ではかなり高い割合でリトミックのクラスがあるし、お受験幼稚園にもリトミックのクラスがあるところが多い。
幼稚園に通う前の子どもたちにも、習い事として親子リトミックは世の中に定着しつつある。
これほどまでに就学前の子どもたちにとってリトミックが身近なものになってきているのにも関わらず、長男の周りを見ていると、ピアノやバイオリンなどの楽器を習う子どもの割合は昔よりだいぶ減っている。
今から40年前
過半数がピアノを習っていた
今から40年前、少なくとも都市部では、小学生女子でピアノを習っている割合は6割~7割に達していたと思う。
ピアノを習っている子どものほとんどは家にピアノがあった。
今から思えば、当時ピアノを購入することは経済的に大変だったと思う。
月賦でピアノを購入する
当時は、ほとんどのご家庭で月賦(と当時言われていた。つまりローンのこと)でピアノを購入していたと思う。
当時は今よりも物価が低かったので、高価なピアノを買うことは今よりも大変だったはずだ。
それでも当時の親たちは月賦でピアノを購入していた。
40年ほど前はなぜか多くの家庭で「ピアノを習うのが標準」のような風潮があった。
富裕層だけでなく一般庶民にも、である。
だから、私の世代は今の子どもたちに比べてピアノを弾ける女性が多い。
そして、当時はピアノだけでなく、エレクトーンを習っている子どもも多かった。
エレクトーンを所有する家庭も結構多かった。
もちろん、ピアノにいっさい興味がなかった家庭も一部存在した。
私の両親がそうだった。
私の両親は音楽に関心がなかったので、当時私はピアノを習いたかったけれども習えなかった。
その反動で、長男にピアノを習わせている。
現在の状況
リトミックというのは本来「音楽教育」である。
だから、ピアノへの導入としてリトミックを位置付けているピアノの先生も多い。
確かに、リトミックを習った後に楽器を習うと楽器の上達が早いといわれている。
けれども、リトミックを習う子どもの数は増えているのに、ピアノを習う子どもの数は減っている。
これは、リトミックを楽器を習う前の導入として考えていない保護者がリトミックを子どもに習わせているのが原因なのだろう。
現在、ピアノは習い事としては英語や水泳に続く3番目の人気らしい。
ピアノを習う子どもが減っている理由
ピアノを習う子どもが減っている理由は何だろうか。
・学校の宿題の増加
・共働きの増加
・中学受験の影響
だろうか。
ピアノレッスンを5歳6歳頃に始めた場合、小学校高学年にはレッスンの内容がかなり難しくなる。
共働き世帯の親は毎日の宿題を親がみるだけで精いっぱいだ。
ピアノのレッスンまで手が回らなくなるだろう。
ちょうどその頃に中学受験の勉強が本格化するので、ピアノを続けるのは難しくなってくる。
そうなると、ピアノのレッスンを長期間続けられる子どもの数は昔よりも格段に減る。
個人的な思い
小さいうちにリトミックを習って音感を見に付けても、それを実行する手段がないのは悲しいことだ。
ピアノやバイオリンなどの楽器に限らず、ダンス・フィギュアスケート・作文のような表現芸術などに次男が興味を持ったときにリトミックでの経験を活かしてくれたら良いなと思っている。