最近のリトミックブームに関する雑感

我が家の長男はリトミックを習っている。

2歳児の次男は「早くリトミックをやりたい」と言い出した。長男がリトミックをやる風景を毎回見ているせい?それとも、お腹にいた頃から長男がリトミックをする音を聞いて慣れ親しんでいるせい?

次男はリトミックに興味津々。

まさか2歳児が自分から「リトミックをやりたい」と言い出すとは思わなかった。驚いた。

 

次男坊、真似する相手(長男)が常に近くにいるせいか、やることなすことすべて早い。

次男は今春からリトミックを習い始める予定だ。

次男は、長男と一緒にリトミックに通うのを楽しみにしている。

「いつリトミックに行くの?」とリトミックのレッスンを心待ちにしている。

 

 

トットちゃんとリトミック

リトミックと言えば、かなり古いけど、黒柳徹子氏の「窓際のトットちゃん」にリトミックのことが書かれていた。

窓際のトットちゃんは、私が小学生のときにベストセラーになった(1981年)。

今から40年近く前に出版された本かと思うと、自分がいかに歳をとったのか実感する。

 

「窓際のトットちゃん」によれば、トットちゃんは子どもの頃、リトミックの授業を受けた。

トットちゃんにリトミックを指導したのは「リトミックを日本に導入した有名な音楽家」である小林宗作先生

今回はなぜリトミックに関する記事を書くのかというと、ここ数年でリトミック教室は増えても、本来のリトミックを体験している子どもたちは増えていないと最近感じているからだ。

 

私は音楽教育の専門家ではない。

私は子どもを長年リトミック教室に通わせている素人に過ぎない。

「本来のリトミックの素晴らしさをもっと多くの子どもたちに体感してほしい」と思う。

 

リトミックの大衆化

長男が小さい頃はまだ、リトミックはそれほど巷には浸透していなかった。

けれども、ここ数年でリトミックを取り入れる幼稚園や保育園が増え、「リトミック教室」は雨後のタケノコのごとく増えている。

 

リトミックはすっかり大衆化し、幼児教育の一環として定着した感がある。

その一方で、リトミック教室が増えるにつれ、いわゆる「なんちゃってリトミック教室」も巷で増殖中だ。

 

「英語リトミック」というのもあるらしい。

英語リトミックは、英語とリトミックを組み合わせることでお得感をもたせて差別化を図っているのか、やや高いお月謝が設定されているところも多い。

英語講師の人件費がかかるせいだろうか。

 

今は、リトミックの専門教育を受けた先生が指導するリトミック専門の教室から、リトミックの研修をちょこっと受けただけの人間が先生をしている「なんちゃってリトミック教室」まで、色々な教室がある。

 

リトミックの大衆化の弊害

ところが、リトミック教室が大量に増えた結果、「リトミック=乳児のお稽古事」という認識が広まった。

 

巷のリトミック教室の年齢ターゲットは主に0~2歳児。

「0~2歳でちょこっとリトミックに通ったらリトミックは卒業」みたいな風潮が今はある。

 

音楽教育というよりも、親子のふれ合いの場・息抜き・ママ友探し等としてリトミック教室を利用する人も多い。

それはそれで良いと思う。

でも、幼稚園に入るとお稽古事としてのリトミックは卒業する子どもも多い。

本当にもったいない。

なぜなら、リトミックはれっきとした音楽教育・人間教育だからだ。

 

乳児の頃に半年~1年リトミックを習った後に辞めてしまうので、「小さい頃リトミックを習ったけれど、大して役に立たなかった。リトミックの効果なんて全くない。リトミックは無駄だった。」という感想を持つ人も多いようだ。

リトミックが世に認知されてきたのに「リトミックなんて無駄だった」「効果がない」と思う人が増えているのはとても残念なことだ。

 

せっかくリトミックをやるならば、小学生くらいまで続けないともったいない

ただ「なんちゃってリトミック教室」がいくら増殖しても、小学生に教える力量があるリトミックの講師はそう多くないみたいだ。

 

なんちゃってリトミック

実は私も、次男といっしょに「なんちゃってリトミック」に参加したことがある。

以前、近所の児童館で行われている無料リトミック教室に私は次男を連れて参加してみた。

 

その無料リトミック教室は、身体を動かして楽しむという点では十分な内容だった。

「身体を動かして楽しめれば十分」と考える人は、この無料リトミック教室の内容で十分だと思う。

 

確かに、音楽を楽しむことが一番大切だ。

楽しめるのならば「なんちゃってリトミック」でも十分だ。

ただ「これをリトミック教室と呼んでいいのか?」と思うほど、リトミック専門の教室とは別物だった。

 

いろいろなリトミック教室ができたからこそ、リトミックの認知度が高くなった。

けれど、本物のリトミック教室がどういうものかを知らずに終わる人が増えてしまった点では、なんちゃってリトミック教室は罪な存在だ。

 

本物のリトミックを

「我が子を絶対に音楽家にしたい!」とまでは思わなくても、「音楽が好きな子になってほしい」とか「楽器を楽しんで弾けるようになってほしい」のであれば、本物のリトミック教室に通ったほうがいい。

私はギョーカイの人ではない。

どうやら「本物」のリトミックという言葉、ギョーカイの方々はどうやらお嫌いのようだ。

 

何が本物なのかは各自の判断に委ねられるだろう。

けれど、リトミック専門の先生が奏でる即興は本当に心打たれるものである。

 

美しいピアノの旋律をこどもたちが聴けるようなリトミック教室を選んでほしいと思い、今回の記事を書いた。

良いリトミック教室の見分け方については今後、別の機会に触れる予定だ。