父が胃潰瘍になった話
私の父が70歳になる手前だったと思う。
父の食欲がなくなり、
体重がみるみる痩せていった。
家族は癌ではないかと心配し、
父にしつこく病院受診をすすめた。
父は病院嫌いなので、
家族がすすめてもなかなか受診しなかった。
けれど、父はますます体重が減っていった。
10kg以上体重が減った。
そして顔面蒼白になってきたので、
どう考えてもおかしいと父も思い始めたようで、
とうとう観念して父は病院を受診した。
重度の貧血
血液検査の結果、父は重度の貧血だとわかった。
ふだん父は貧血ではなかったのに、
父の顔色が悪かったのは、ひどい貧血のせいだったのだ。
次に、胃カメラ検査を受けたところ、
父の胃にはバカでかい潰瘍ができていることがわかった。
父の胃にあった潰瘍は、
見るのも恐ろしい、大きくて赤黒い潰瘍だった。
大きくて赤黒い潰瘍を見て、
家族はみんな父が癌だと思った。
けれども、病理検査したところ、
大きくて赤黒い潰瘍は癌ではなく、胃潰瘍だった。
結局、父は重度の胃潰瘍と診断された。
父のひどい貧血は、胃潰瘍による出血が原因だったのだ。
ピロリ菌の除菌
父はすぐに治療を開始した。
検査の結果、父はピロリ菌に感染していたので、
まずはピロリ菌を除菌し、
貧血を改善する薬を服用するよう医師から指示があった。
父は医師の指示を忠実に守り、
毎日薬をきちんと服用した。
そして、数か月後にあらためて胃カメラ検査をしたところ、
あんなに大きくて赤黒い潰瘍は胃からすっかりなくなっていて、
ピンク色のきれいな胃になっていた。
父の胃潰瘍の原因
父の胃潰瘍の原因はおそらく
・ピロリ菌
・市販の風邪薬の常用
・タバコ
・酒
だったのだろう。
ピロリ菌が胃潰瘍を誘発することは広く知られている(ピロリ菌から胃潰瘍に?)
体調が悪くなる前から、
父は風邪薬をよく服用するようになっていた。
特に、体調が悪いときは早く治そうと、
父は風邪薬をせっせと飲んでいた。
風邪薬には胃に負担がある成分が含まれているものがある。
ピロリ菌を除菌し、
風邪薬の服用をやめた後は、
父の胃潰瘍が再発することはなかった。
父が経験した重度の胃潰瘍から言えることは、
胃を健康に保つには、ピロリ菌保菌の有無を調べることが大切だということ。
そして、加齢で薬物代謝能が落ちるせいだろう、
年を取ると、
風邪薬みたいな一見目立たない薬物の摂取が、
思いもよらない病気を引き起こす可能性があることを知った。