ショウジョウインコの飼育記録
冬になると、推定30歳で逝った我が家のショウジョウインコを思い出す。
インコの名前は「鳥野さん」。一度も卵を産むことはなかったのでたぶん「オス」。
ご縁あって熱帯の南の島から我が家へと来てくれた感謝を込めて名字で呼んであげていた。
ショウジョウインコとは
ショウジョウインコはヒインコの一種で、インドネシア原産の中型インコだ。
出典:富士花鳥園 公式ブログ ショウジョウインコ (fc2.com)
写真は、富士花鳥園で飼育されているショウジョウインコのキャサリンさんである。
ショウジョウインコは全身が深紅の羽で覆われているのが特徴。
赤い羽の色が輝くように実に美しい。
我が家で飼っていた鳥野さんも上の写真のキャサリンさんと同じく、背中に黄色の羽・両翼に緑の羽が生えていた。
ショウジョウインコの平均寿命は約30年とのこと。
我が家の鳥野さんは平均寿命まで生きたことになる。
デパートの屋上で購入
昔、父がデパートの小鳥売り場で展示されているショウジョウインコの鳥野さんを見つけて購入したのが、鳥野さんに出会ったきっかけである。
昔はショウジョウインコがデパートで市販されていたのだ。
ちなみに、ショウジョウインコは現在10万以上の値段で市販されているようだが、30年以上前に父が鳥野さんを購入したときはそんなに高額ではなかったと思う。
ショウジョウインコの特徴その1「果物好き」
ショウジョウインコは無類の「果物好き」である。
鳥野さんはふだんヒマワリの種を主食にしていたが、果物はエサとして欠かせなかった。
鳥野さんはリンゴ・バナナ・梨など、果物ならばたいてい食べた。
特にリンゴが好きだった。
そして、鳥野さんは果物と並んで大好物だったのが「ヨーグルト」。
鳥野さんの長生きの秘訣はヨーグルトだったのかもしれない。
ショウジョウインコの特徴その2「気性が荒い」
ショウジョウインコはとにかく「気性が荒い」。
鳥野さんは手には乗らなかったし、噛むし、噛まれると非常に痛い。
ショウジョウインコというのはとにかく気性の荒さからか、集団行動が苦手で、複数飼いするとほかのインコを攻撃することがあるらしい。
ショウジョウインコの複数飼いが難しいことがいろいろなサイトに書かれている。
以前ショウジョウインコを展示していた川崎の夢見ヶ崎動物公園ブログによると、同居するオウムをショウジョウインコが攻撃して病院送りさせたと書かれている。
ショウジョウインコというのはどうやら複数飼いが厳しい種のようだ。
そういう意味では、鳥野さんは、集団行動が苦手な我が家のメンバーとは相性が良かったと思う。
もちろん我が家では鳥野さんを単独飼いしていた。
ショウジョウインコの特徴その3「耳をつんざくような声で鳴く」
ショウジョウインコは耳をつんざくような甲高い声で鳴く。
ショウジョウインコの鳴き声は、野生化しているワカケホンセイインコの鳴き声によく似ている。
とにかく鳴き声が響くので、ショウジョウインコを集合住宅で飼育するのは止めたほうがいいと思う。
ショウジョウインコの特徴その4「舌に毛が生えている」
ショウジョウインコはなんと!「舌に毛が生えている」のだ。
果物の実を舌の毛でかきとって食べるのに適しているのだろう。
実際、果物やヨーグルトがついた容器の表面を舌を使って上手に舐め回していた。
ショウジョウインコの特徴その5「糞を撒き散らす」
ショウジョウインコは「糞を撒き散らす」という習性がある。
しかも果物をたくさん食べるせいか、糞が水っぽいのだ。
この点は飼育する側にとって迷惑な習性である。
鳥かごの周りに物を置くとフンまみれになってしまうので要注意だ。
鳥かごの近くに大切な品は置いておけない。
ショウジョウインコの飼育こぼれ話その1「冬はゆたんぽで保温」
ショウジョウインコはもともとインドネシアが原産の熱帯の鳥なので、寒さに慣れていない。
冬は鳥かごの上に金属製の湯たんぽを置いて保温していた。
ただ…保温のためカバーを鳥かごにかけておくと、カバーは糞まみれになってしまう。
ショウジョウインコの飼育こぼれ話その2「爪切り」
ショウジョウインコはほおっておくと爪が延びすぎて鳥かごにひっかかってしまう。
野生では自然に爪が削れていくのだろうが、家庭で飼育しているとそうはいかない。
数ヵ月に1度、人間用の爪切りを使って爪を切ってあげていた。
鳥かごごしに爪を切るのはコツがいる。
鳥野さんの興味を爪から反らしながら一瞬でパッと爪を切るのがコツだ。
ショウジョウインコの飼育こぼれ話その3「日光浴」
南の島で生育するショウジョウインコには日光浴が欠かせない。
鳥野さんも日光浴が大好きだった。
日光浴させるには鳥かごを外に出す必要があるので、そうなると、ショウジョウインコを飼育するにはやっぱり集合住宅には不向きだ。
中型インコは長生きだ
ショウジョウインコなどの中型インコは結構な長生きで、平均寿命30年というインコも多い。
中型インコは犬や猫よりも長寿である。
大型のオウムになると、平均寿命が40年を超える種もあるそうだ。
鳥野さんを飼い始めたのは私が子どもの頃だったので、約30年間飼育したのち鳥野さんを無事に看取ることができた。
けれども今から中型インコを飼い始めるとなると、30年後には私は80代である。自分がインコを看取れるかどうか、年齢的に怪しい。
自分が看取れないかもしれないから、残念ながら中型インコを今から飼い始めることはできない。
最後に
日本で約30年も暮らした我が家のショウジョウインコの「鳥野さん」。
加齢のせいだろうか、鳥野さんは亡くなる半年ほど前から噛む力・指をつかむ力が弱くなってきたと感じた。
現在も日本国内のいくつかの動物園でショウジョウインコが飼育されている。けれども、20年以上長生きしているショウジョウインコの個体は動物園ではあまり見当たらない。
鳥野さんは熱帯の南の島で生まれたのち日本に連れて来られて、決して快適な住環境ではなかったかもしれない。
けれども、日本の寒い冬にも慣れて、約30年もの間、病気もせず日本で無事に暮らすことができたのは、鳥野さんが日本での暮らしをそれなりに楽しんでいたからだと思いたい。
こうやって鳥野さんのことを紹介することが、鳥野さんの供養になればいいなと思っている。