草刈正雄とMG5と
草刈正雄「ファミリーヒストリー」を観た感想を先日書いた(NHK「ファミリーヒストリー」草刈正雄を見た感想)。
昔、正統派の二枚目といえば草刈正雄のことを指したものだった(草刈正雄本人は『二枚目』と呼ばれるのが好きではないようだが)。
70年代の草刈正雄はもう圧倒的にハンサムだった。
そのことに誰も異論はないだろう。
70年代、街の化粧品店には必ずと言っていいほど、資生堂の草刈正雄のポスターが貼られていた。
草刈正雄といえば、資生堂のMG5とブラバスのCMである。
私の父は亡くなるまで資生堂のMG5とブラバスを愛用していた。
MG5もブラバスも未だに愛好者が多いが、それまでは開拓されていなかった男性用化粧品の先駆けとなる衝撃的な商品だ。
MG5の黒白の市松模様に似たデザインのパッケージは斬新で、今も現役である。
草刈正雄がMG5とブラバスの広告から姿を消してから相当の時間が経過したにも関わらず、いまだに、草刈正雄と言えばMG5・ブラバスを想起させるのだから、MG5・ブラバスの広告に草刈正雄を起用したことは、ものすごい宣伝効果といえる。
街の化粧品店
そういえば昔は、化粧品というものは街の化粧品店で購入するものだった。
70年代、化粧品は化粧品店でないと入手できなかったのだ。
個人商店の化粧品店には、色とりどりの口紅の見本が並んでいた。
資生堂やカネボウなどの大手化粧品メーカーは春・秋に新商品のキャンペーンをしていた。
大手の化粧品メーカーは毎年2回、春と秋に、印象に残るうたい文句(コピー)とともに新商品のCMを放映した。
今回の草刈正雄「ファミリーヒストリー」がきっかけで、草刈正雄が出演していた昔のテレビCMをyoutubeであらためて観た。
70年代の草刈正雄がカッコいいのはもちろんのこと、当時のテレビCMの草刈正雄の表情が豊かで、コミカルな演技がとてもお茶目でチャーミングである。
そして、当時のテレビCMは凝っていて、お金をかけて丁寧に作られていることがよくわかる。
草刈正雄のブラバスのCMもカリフォルニアなど外国で撮影されたものもある。
そういえば、当時の一流どころのテレビCMは海外ロケで撮影されることも多かった。
たった15秒のテレビCMを多額の費用をかけて製作するのが当たり前だった時代が懐かしい。
時代は変わった
今や、テレビCMはネット広告に取って代わった。
化粧品はドラッグストアでも売られるようになり、街から化粧品店がなくなった。
時代はすっかり変わってしまった。