0歳児を保育園に預けるということ

わたしは長男を0歳児から保育園に預けた。

ここ数年で0歳児を保育園に預けることが当たり前になってしまった。

0歳児を保育園に預けることが普通になったのはここ数年だろうか。

リーマンショック(2008年)以降、0歳児を保育園に預ける人が徐々に増えだしたように思う。

それでも私が長男を出産した頃はまだ「0歳児を保育園に預けている」ことを年配者に言おうものなら「0歳児を保育園に預ける」≒虐待のようなコメントを頂戴した。

医師・教師・看護師など、教育や医療に携わる職業に就いている母親は「公のために仕事をしている」という大義名分があるから、0歳児から保育園に預けていても世間様からの批判はそれほど大きくない。

けれども、以前は民間企業勤めの場合、0歳から保育園に預けることは、勤務先からは「早期復帰してくれて助かる、ありがとう」と感謝されるものの、世間一般からの風当たりは強かった。

長男の鼻水が止まらないので、保育園のお迎えの後に耳鼻科に立ち寄ったときは、まだ18時頃なのに「こんな赤ん坊を夜遅く連れ歩いて何やっているんだ!」と年配の耳鼻科医に怒鳴られたこともある。

当時の年配の医者はそういう考えだったのだ。

冷静になって当時を振り返ると、その医者は母親を責めるのではなく、親子をそういう状況に陥らせている社会に対して怒るべきだ。

ともかく当時は0歳児を保育園に預けて働くことは一般的ではなかった。

それを思えば、今はだいぶ働く母親に優しい社会になっている。

私が長男を出産した頃の周りの母親達は、結婚と同時に家庭に入っている人もまだ結構いたし、妊娠出産を機に仕事を辞める人も多かった。

出産後も働いている人自体がまだ多くなかったので待機児童も少なかった。

だから、長男は認可保育園の0歳児クラスにわりとすんなり入園できた。

 

出産退職

そういえば、今は、給与所得者であれば、育休中は給付金をもらえるし、社会保険料の支払いを免除される。

現在育休中の人は「育休中の社会保険料の免除」=当然と思っているかもしれない。

しかし、以前は、育休中は会社側が社会保険料を負担しなければならなかった。

そのせいで、会社側は「育休中で働いていない人の保険料までなぜ会社が負担しなければならないの?」という理由で、妊娠中や出産後に母親に退職を勧める風潮があった。

今は育休中は会社側も社会保険料の支払いを免除される。それに伴い、育休取得を理由に退職に追い込まれたりすることはかなり減った。

そういう意味では、日本は以前よりは働く女性に優しい社会になった。

 

高熱続きの保育園生活

長男は、0歳から保育園に入園した。

けれども、入園から最初の1か月は何日登園したの?というほど、体調が悪かった。

入園から3か月ほどの間は40℃以上の高熱が出ることが何度かあった。

入園から3か月を過ぎる頃にはだいぶ保育園に通えるようになり、入園してから半年過ぎるころにはほぼ登園できるようにはなった。

けれども、3歳を過ぎるまでは体調を崩しやすかった。

夜中に総合病院や大学病院院何回駆け込んだことか。

長男と同じように、0歳から保育園に入園して子どもが体調を崩したという話は本当に良く聞く。

0歳児が肺炎で入院したという話も何回聞いたことか。

0歳児を保育園に預けていれば、どこの家庭も似たようなものだと思う、鉄人のようにストレスに強い子を除けば。

もちろん、母子のどちらかまたは両方が体調を崩して退園するという話は今に限った話じゃない。数十年前からよくある話だ。

数十年前は0歳児を保育園に預ける人はごく限られた人だったので、保育園に入園して体調を崩す0歳児の数も限られていただろう。

けれども、今は0歳児を保育園に預ける人自体が増えているから、体調を崩す0歳児の数も増えていてもおかしくはない。

0歳から保育園に入園した長男とはひきかえ、家庭で育てている次男はこれまで風邪を引くことは本当に少なく、発熱してもわりとすぐに熱が下がる。

次男がこれまで発熱した回数は、同時期の長男の10分の1以下かもしれない。

長男は何度も40℃超えを経験した。

けれども、次男が40℃以上の高熱を出したのは、突発性発疹のとき1回きりだ。

今思えば、長男を0歳児クラスから保育園に預けなくても、別の方法、たとえばベビーシッターさんを活用すればよかった。

何も考えずに保育園に入れ、長男が乳児期のかなりの部分を良くない体調で過ごさせてしまったことに対して、長男には申し訳ない気持ちで一杯だ。

もちろん、長男のときよりも次男のときのほうが予防接種の種類も増えていることも、次男に好都合なのだろう。

次男は、長男が接種したことがない肺炎球菌やロタウイルスの予防接種をしている。だからこそ次男の発熱回数が少ないのかもしれない。

ただ、体調を崩すか崩さないかは、体質の違いも大いに影響しているんだろう。

とはいえ、長男が小学校に通っている間、次男は自分のペースで過ごすことができるのも、次男が体調を崩しにくい理由の一つのような気がする。

 

子どもにもケアは必要

母親については「産後ケア制度」ができたりして、産後のサポート体制が整えられつつある。

しかし、子どもに対してのケアは十分か?

「0歳児は発達の個人差が大きく、本来は集団保育に向かない」という前提を忘れていないだろうか?

巷では認可園に確実に入れるために「0歳から認証や無認可に入れて指数を稼ぐ」ことが有効な保活手段として推奨されている。

けれども、0歳から認証や無認可に入れたとしても、指数がもっと高い人がたくさん認可園に申込みしていれば、認可に入所できない場合だってある。

0歳児の健康を犠牲にしてまでの指数稼ぎってどうなのだろうか?というのが、私の本音だ。

長男を0歳児で保育園に入園させた結果、長男に高熱続きにさせてしまい後悔しているから。

0歳児の健康を守るという観点から、いわゆる「認可外加点」を行っている自治体は「認可外加点」を廃止してほしいし、実際、認可外加点を廃止した自治体もある。

1歳児で確実に保育園に入れるのならば、あせって0歳児から預ける人は減ると思う。

育休もだいぶ浸透してきた。

0歳児を保育園に預けるのは、本当にやむを得ない理由の人だけで、せめて2歳を過ぎてから保育園に預けるのが堂々と認められる社会になってほしい。