(読書感想)地下鉄ができるまで(作:加古里子)

最近、数十年前に出版された古い絵本を読んで、あらためて良さを実感した。

たとえば、古い絵本に描かれている少年が丈の短い半ズボンだったりと、得も言われぬ懐かしさを感じる。

古い絵本は老朽化して図書館から少しずつなくなっていくと知った。

そこで今後、古い絵本をできるだけ紹介していくつもりだ。

まず、今日、ご紹介するのは「地下鉄ができるまで」という絵本だ(地下鉄のできるまで|福音館書店 (fukuinkan.co.jp))。

 

「地下鉄のできるまで」の作者:加古里子氏

作者は、「てんぐちゃんシリーズ」・「からすのパンやさん」で有名な加古里子(かこ・さとし)氏。

加古里子氏は絵本作家であると同時に、東大工学部を卒業して昭和電工で働き、技術者という肩書をお持ちだったことは有名だ。

加古里子氏は技術者としての知識を生かして、2018年にお亡くなりになるまで科学技術に関するたくさんの絵本を作ってきた。

そのひとつがこの絵本「地下鉄のできるまで」だ。

 

「地下鉄のできるまで」のあらすじ

この本を長男によく読んであげたので、この本「地下鉄ができるまで」はわたしにとっては思い出深い本だ。

いまは、地下鉄工事の様子を動画で簡単に見ることができる時代だ。

でも、地下鉄工事の様子を絵本(静止画)を通して学ぶほうが、かえって想像力が湧くものだ。

「地下鉄ができるまで」というタイトル通り、この本には地下鉄ができるまでの工事の様子が描かれている。

この本の初版は1987年。

今は初版から30年以上経過している。

いまでも地下鉄工事の技術はこの本に書かれているように「開削工法」「シールド工法」の2つの方法が代表的であり、この本に書かれている技術はいまだ健在だ。

子どもが小さい頃は動画視聴をコントロールできるのだから、動画をただ見せておくばかりではなく、絵本からこどもの想像力を膨らませる時間があったほうが良い、と改めて反省した。


絵本「地下鉄ができるまで」のシールド工法の説明図

 

 地下鉄ができるまで

地下鉄のできるまで|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)

著者:加古里子
初版:1987年
出版社:福音館書店