女性皇族が降嫁した年齢

最近、皇室関連の本を読んでいると、やはりというべきか、
昔の女性皇族はかなり若い頃に結婚しているのに気づく。

戦前は、女子学習院高等科を卒業する前に結婚する皇族・華族も少なくなかった。

実際、昭和天皇の第1皇女である照宮さま(東久邇成子)は女子学習院中等科を卒業したのち、
花嫁修業をして17歳で結婚している。

戦後になると、二十歳前後で結婚される女性皇族が増える。
島津貴子さん・近衛甯子さんは学習院大学の在学中にご結婚された。

そして昭和の後半以降、女性皇族の晩婚化が進んだ。

それでも紀宮さま(黒田清子さん)ご成人の頃は、
「腰掛け」や「寿退社」という慣習が世間にまだ残っていた。
今思うと、紀宮さまが20代から30代にかけては、
日本人女性全体の初婚年齢が徐々に高くなっていった、ある意味「過渡期」だったのだ。

昔の女性皇族のように、
ハタチくらいで結婚して専業主婦になるのが前提ならば、
女性皇族は将来のキャリアについて考える必要はなかった。

けれども、最近の女性皇族のように、
30歳前後まで皇族としての生活を続けるのならば、
「結婚までの公務を腰掛け的に数年すればいい」というわけにはいかない。

もし結婚後も働くならば、
皇室の品位を傷つけない仕事を選ぶことを求められるのが、
現代の女性皇族の難しさだ。

とはいえ、
ここ20年以内で降嫁された元女性皇族、
黒田清子さん・千家典子さん・守谷絢子さん・小室眞子さんの例を見ても、
結婚後もバリバリ働くことを想定して、
結婚する前から自身のキャリア形成に励んでいる女性皇族はいないし、
皇族という立場上、個人の利益のためのキャリア形成に励むわけにはいかない。

一方で、女性皇族が結婚していきなり民間の荒波に放り出されて職を得ようとしても、
そう簡単にはいかないだろう。

皇族というのはやはり、
経済的な基盤がしっかりした嫁ぎ先に嫁ぐ他はないのかもしれない。