(読書感想)からだのひみつ(著者:田口ランディ・寺門琢己)

からだのひみつ

著者:田口ランディ・寺門琢己
初版:2000年
出版社:メディアファクトリー

この本「からだのひみつ」は2000年に初版が発行された。

初版から20年を経過した現在、この本は単行本化(新潮文庫)されている。

田口ランディ氏は作家、寺門琢己氏は整体師である。

この本「からだのひみつ」は田口ランディ氏と寺門琢己氏の対談集で主に構成されている。

わたしは業界のヒトではないので知らなかったが、寺門琢己氏はどうやら有名な整体師さんのようである。

プロの整体師の方には物足りない内容かもしれないが、この本「からだのひみつ」に書かれていることは、わたしのような素人には十分面白かった。

コロナ禍で人と会う機会が激減しているせいか、最近「身体性」を取り戻すことが注目されている。この本「からだのひみつ」は、20年以上前に「身体性」の大切さを謳っている点が斬新だ。

この本「からだのひみつ」には格言ともいうべき言葉が随所にある。たとえば以下の言葉が心に残った。

 

・男が弱いと女もあまり幸せではないかも

「身体性を取り戻さなきゃいけないのは男の方だ」と著者のおふたりは言う。この本の出版から20年以上経ってますますその傾向が強まっているように思える。

 

・陣痛はヨットに似てる。「陣痛クルージング」でした。

田口氏は出産で分娩台にのぼったときに排便したい感覚になったそうだ。

わたしもそうだったのでその感覚はよく分かる。

わたしも長男出産の際、陣痛が強くなってきた後はとにかく「いきむと便が出ちゃうかも」とずっと気になってしょうがなかった。分娩の最中ずっと、助産師さんが肛門をおさえている気がして(実際肛門をおさえていたのかもしれないが)気が気でなかった。

助産師さんというのは本当、大変な仕事だと思う。

 

・右手しか使わないことにメリットなんかない。むしろからだによくないです。

両手同じように自在に使えると片方に負担がかからないので、体に良いらしい。

この本で著者のおふたりは「帝王切開や無痛分娩は必要なとき以外できるだけしないほうがいい」と言い切っている。

この本が出版されたのは今から20年以上前で、当時は今よりも帝王切開や無痛分娩の割合が少なかった。ここまではっきりと言い切っても大丈夫だったのは出版された年代(2000年)はまだ自然分娩が主流だったせいだろうか。