(読書感想)エルマーのぼうけん(著者:ルース・スタイルス・ガネット)

わたしはこどもの頃「エルマーのほうけん」を読んだことはなかった。

大人になってから知ったのは、「エルマーのぼうけん」は世界中で知られている、とても有名な児童書であることだ。

エルマーのぼうけん|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)

 

年長組への「エルマーのぼうけん」の読み聞かせ

長男が保育園に通っていた頃、年長組の担任の先生がお昼寝の前に「エルマーのぼうけん」を毎日読み聞かせてくださった。

長男のクラスの子どもたちは「エルマーのぼうけん」の読み聞かせを毎日楽しみにしていて、次にどういう展開になるか毎日身を乗り出すようにワクワクしながら聞いていたと長男の担任の先生から聞いた。

「エルマーのぼうけん」という絵本は、挿し絵が少ない、いわゆる「字の本」だ。だから年長組への読み聞かせに適している。

日本全国の年長組の多くのこどもたちは「エルマーのぼうけん」を読み聞かせしてもらっているに違いない。

挿し絵が少ない「字の本」を読み聞かせてもらって、内容を理解してワクワクできるなんて、長男のクラスのおともだちはなんて想像力が高い子たちなのだろう…と当時驚いた記憶がある。

 

「エルマーのぼうけん」のあらすじ

「エルマーのぼうけん」は、エルマーという男の子が、囚われた龍(りゅう)の子を助けにどうぶつ島に探検に出かける、というお話だ。

探検に出かけた島でトラ・サイ・ワニなどいろいろな動物に出会うたび、エルマーがトンチを利かせて、持参したお菓子を使って動物を夢中にさせている間に逃げることを繰り返し、最後はりゅうの子どもに会うことができる。

「エルマーのぼうけん」は、挿絵が少ない字が中心の本ではあるけれども、数少ない挿絵は丸みを帯びた優しく不思議なタッチの絵だ。この挿絵は著者の義母が描いたものだそうだ。

長男は「エルマーのぼうけん」には興味をもたなかった。

今回、次男にも「エルマーのぼうけん」を読み聞かせしてみた。

次男に「エルマーのぼうけん」のお話を毎日少しずつ読み聞かせしてみて1冊通して読んでみたけれども、次男も長男と同じ反応で、次男は「エルマーのぼうけん」を読んで「ふ~ん」と言った程度で、さほど興味を引かれなかったようだ。

「エルマーのぼうけん」の日本語版の初版は1963年。

今から約60年前である。

50~60年以上前に書かれた本だから、「エルマーのぼうけん」の絵本には、今じゃあまり使わないような用語がチラホラ出てくる。

そういえば同時期に出版された児童書「いやいやえん」をわたしがこどもの頃に読んだときはあまり違和感がなかったけれども、今あらためて読んでみると、最近はあまり耳慣れない言葉が散見されているのに気づく。

月並な言葉だけれども「言葉は生き物だから時代とともに変わっていく」と実感する。