こどものピアノレッスンに望むこと

ピアノの先生に望むことがある。

それは「こどもを教えるならば、こどもがいつ・どのように発達していくかをおおまかに知っておいてほしい」ということ。

ピアノの先生に限らず、こどもを教える人には「こどもが平均して何歳くらいまでにこういうことを理解できるようになるのか」を知っておいてほしい。

 

経験豊富なピアノの先生は「何歳頃にこういうことをできるようになるのか」を知っている。

ところが、そういう視点をもたない先生が実際におられる。

 

たとえば、幼児に音符の長さを理解してもらうのに、分数の計算の話をしても幼児は理解できない。

幼児は分数の概念が理解できないのだから、当然だ。

分数の理解は、小学校低学年になっても怪しい子が結構いる。

 

分数という概念が育たないうちに「4分音符は、1小節を4つに分けたうちの1つ」と言葉で説明しても子どもは理解できない。

「1小節に4分音符が4つ入るから、1小節に8分音符は8つ入る」と説明しても、小さい子どもにはそれが意図することが理解できない。

分数の概念は時間が解決するものだ。

小学校高学年になればたいてい、分数を理解できるようになる。

その頃には「4分音符は1小節を4つに分けたうちの1つ」と言葉で説明しても理解できるようになる。

「こどもの数の概念がいつごろ・どの程度育つのか」のおおよその目安をピアノの先生に知っておいてほしい。