紀子さまの発言にある「託児」について思うこと

紀子さまと佳子さまは、女性の権利に関心をお持ちのようにお見受けする。

以前、紀子さまが育児中の女性研究者との懇談で「託児などを利用しながら研究(と育児)を両立してくださいね」と発言したのが気になっていた。

紀子さま、育児中の研究者と交流 明治記念館

 

この紀子さまの発言のなかにある「託児」という表現が心に引っかかった。

「託児」には、保育園やベビーシッターにこどもを預けること、そして、自分の親やきょうだいに預けることが含まれる。

紀子さまは「託児を利用して」とおっしゃったのを聞いて、「ああ、紀子さまは、今の保育園の現状を何もご存じないのだろう。」と残念な気持ちがした。

なぜなら、紀子さまが今の保育園の現状をご存知ならば、簡単に「託児を利用して」などと発言できないと思うからだ。

今までも、紀子さまは、きちんと整備された保育園しか視察されていないのだろう。紀子さまご自身が視察する園を決めているはずはないから、紀子さまのせいではないけれど。

雑居ビルにある、園庭がない無認可の園を視察してみてほしいのだ。

 

 

託児される側の「子どもたち」に心を寄せてほしい

紀子さまは、学習院大学大学院人文科学研究科で心理学を専攻された。

そして、2017年にはお茶の水女子大学人間発達教育科学研究所の特別招聘研究員に就任している。

紀子さまの経歴からすると、人間にとって幼児期の発達が非常に重要であることはご存知のはずだ。

ところが、女性の就業を推進するために保育園が短期間に粗製乱造された結果、保育士不足・経験が浅い保育士の増加・園庭などの整備不足が生じ、多くの保育園では、乳幼児が狭い場所で、経験が浅くて限られた人数の保育者に養育されている。

女性の社会進出によって、好ましくない環境で育てられる乳幼児が増えているのが現状である。

つまり、女性の活躍を推進するがために、乳幼児が犠牲になってしまっている。

心理学の専門家である紀子さまは、乳幼児期にこどもが安心して過ごすことの重要性を十分認識されているはずだ。

「女性の活躍を推進したい」という思いを紀子さまがお持ちならば、同時に「託児される」側のこどもたちが育つ環境にも心を寄せてくださるようお願い申し上げる。