大学受験生の3層化と「特待生」という制度

大学受験生が3層化していて、第3層の大学を受ける受験生はたいして勉強しなくても総合型選抜などで大学に合格できるようになっているらしい。

“3層化”する大学受験生が直面する「想定外の事態」とは【大学入試2024】

第1層…旧帝大・早慶・医学部など(約5%)
第2層…地方国立大・MARCH・関関同立(15%)
第3層…その他(85%)

 

第3層の大学(特に日東駒専レベルより下)では、ろくに勉強せずに大学に入学する生徒の割合が増えているそうだ。

あげくのはてに、年内合格の受験生に奨学金を出すことを確約し、入学手続きを国公立大学の合格発表を待つ私大まで出始めているらしい。

まるで、現在の高校入試と同じだ。

一部の私立大学は、公立高校の発表があるまで入学手続きを待ってくれる私立高校と同じになってしまっている。

 

割を食うのは「その他の生徒」

優秀な学生を確保するため、特待生(学費免除)枠を導入する大学が増えている。

先日の共通テストの解答欄の下には、特待生枠を掲げる私立大学の広告が並んでいる。

 

東京経済大学の例

たとえば、東京経済大学の広告欄をみると「特待生枠200名!」とある。

東京経済大学のサイトによると、東京経済大学の2023年度の入学者数は1810名である。

とすると、およそ1割の生徒が特待生ということになる(200÷1810×100=約11%)。

 

大正大学の例

たとえば、大正大学の広告欄をみると「年間で最大120万円給付!」・「奨学生チャレンジ入試」・「奨学金(100名採用)にチャレンジできる!」という魅力的な文言が並んでいる。

大正大学のサイトによると、大正大学の2023年度の1年生の在学者数は1246名である。

とすると、東京経済大学と同様、およそ1割弱の生徒が特待生ということになる(100÷×1246=約8%)。

 

特待生の学費は天から降ってこない

特待生の学費は当然、その他の学生が負担すのだろう。

仮に、全額学費免除の特待生が約1割居るとすれば、その他の学生の学費に特待生の学費分が上乗せされるはずだ。

つまり、本来の学費は100万円のはずが、特待生制度を設けるたがゆえに学費が110万円になっているのかもしれない。

ごく一部の極めて優秀な生徒だけを特待生にするならば異論は出ないだろう。

けれども、特待生を大量に出す大学に高い学費を出して入学することに価値があるのだろうか。