園の運動会「乳児クラスの参加は必要か」
保育園の運動会は今も「秋開催」が圧倒的に多い。
そりゃそうだろう。
4月に新学期が始まり、新しい先生・クラスになり環境が変わって落ち着かないところにゴールデンウイークがあって、また落ち着かない日々が続く。
保育園では、そんな状態が続く5月に運動会ができるわけがない。
そういえば、長男が保育園の0歳児クラスに入ったとき、4月はずっと高熱を出して園をお休みする日が続き、5月になってようやく登園できるようになったっけ。
ところで、運動会に乳児クラス(0歳児・1歳児・2歳児)は参加する意味があるのだろうか?
子どもを中心に考えている園では長年議論されてきたことだ。
乳児クラスの運動会は基本、保護者といっしょに競技に参加することが多い。
乳児クラスの運動会について重要な視点は「運動会に参加していることをこども自身は認識しているのか」ということだ。
0歳児・1歳児は「自分が運動会に参加していることを認識しているか」といえば、かなり怪しい。
実際、0歳児・1歳児の競技は「赤ちゃんたちがとっても可愛らしい」という「単なる見世物」になっている。
0歳児1歳児は午前中にお昼寝をする子もまだ多い。
彼らにとってみれば、運動会に参加すること=お昼寝の時間を奪われて見世物にされている、ともいえる。
実際、競技に参加した後、疲れて寝てしまう0歳児・1歳児も多い。
乳児の生活リズムを重視している園では、乳児クラスのこどもは運動会に参加しないところもある。
0歳児や1歳児が運動会に参加するのが当たり前の園からみれば「え~?乳児クラスは運動会に参加しないの???」と思うだろう。
でも、「子ども中心」を大切にしている園はそこまで真剣に考えている(長男が通った公立園がそうだった)。
運動会で年長さん(5歳児)の勇姿を見てああなりたいと思うのは、主に年中さん(4歳児)である。
だからこそ、運動会が終わったあと、年中さんたちは、運動会での年長さんの様子を真似してダンスを踊ったり、リレーをしたりして遊んでいる。
でも、年少さん(3歳児)だと月齢の小さい子はまだ、他人の姿に目がいかない子も多い。
だからこそ、乳児クラスのこどもたちを運動会に参加させるならば、無理のない内容にしてほしい。
乳児クラスのこどもたちにとって、運動会に参加したことが糧にならないならば、運動会に参加してもしょうがない。