帝王切開に関する雑感
(注)本記事は2016年当時の記録に基づくものです。
帝王切開と子宮筋腫切除
別の記事(子宮筋腫合併妊娠)でも触れたが、私の子宮筋腫は子宮頸部にできていた。
子宮頸部は出産時に赤ちゃんの産道になるため、子宮頸部に子宮筋腫があると分娩時に子宮筋腫が邪魔になり、赤ちゃんが外に出て来られないい。
だから、子宮頸部に子宮筋腫がある場合、普通は帝王切開となるそうだ。
今回はその先の話についてである。
私が次男を出産した大病院では、帝王切開の際に子宮筋腫を切除する手術を一緒に行うことがある。
もちろん、妊娠経過に何らかのトラブルがある場合は、帝王切開時に子宮筋腫を取らないという選択がされる場合もあるだろう。
私は妊娠経過にトラブルがなかったため、大病院にて、帝王切開時に子宮筋腫を切除する処置をいっしょにおこなうことになったのだ。
大病院の担当医の見解
帝王切開の際に子宮筋腫を切除する処置をいっしょに行う理由を大病院の担当医に尋ねたところ、次のような回答だった。
「大きな子宮筋腫があると、出産後、子宮筋腫のせいで子宮が収縮しにくくなり、悪露(出産後の出血)がいつまでも続いたりすることがある。悪露が多いと感染が起きたりする。悪露がいつまでも続く場合は、子宮内をきれいにする処置が必要になることもある。」
実際、今回、帝王切開の際に子宮筋腫を切除した後、おかげさまで1か月ほどで悪露はなくなった。
でも、「巨大な子宮筋腫があるからといって、かならず子宮収縮が妨げられて悪露が多くなるとは限らないのでは?」と私はずっと思っていた。
なぜなら、頻回授乳していれば子宮が収縮していくだろうから。
私がもう少し若くて、次の子どもを望んでいて、子宮筋腫が次の妊娠の妨げになる可能性があったならば、私は、帝王切開の際に子宮筋腫を切除することに対して前向きだったろう。
けれども、今回の出産時に私は40代半ば。
次の子どもの可能性はほぼゼロに近い。
この状態で次の妊娠のことを考える必要はないのだ。
それに、私は今まで、巨大な子宮筋腫があるせいで、たとえば生理の時に大量出血したり、排尿や排便がつらかったりなどの不都合は起きていない。
だからこそ「帝王切開時の大量出血のリスクがあるのに何で子宮筋腫をとるの?」という疑問がぬぐえなかった。
地元の総合病院の担当医の見解
実は、転院する前に、転院する前に受診していた地元の総合病院の担当医に「帝王切開時に子宮筋腫を切除する手術はこの病院でできるのか?」を聞いたことがある。
地元の総合病院の担当医は以下のように回答した。
「昔は帝王切開の時に子宮筋腫を切除する手術をよくやっていたよ。ただ、帝王切開時に子宮筋腫を切除する手術は大量出血を伴うことがあるから、リスクが高い。それにあなたの場合、今すでに40代半ばの年齢で、出産して1~2年授乳を続けていると閉経する年齢になっているよ。授乳中で生理が止まっている間は子宮筋腫は大きくならないし、それに、閉経すれば子宮筋腫は大きくならないのだから、今あえて、帝王切開時に子宮筋腫を切除する処置をする必要はないと思う。」
つまり、地元の総合病院は「あなたはもうすぐ閉経する年齢だから、大量出血のリスクを冒してまで子宮筋腫を切除する必要ははないだろう」とのスタンスだった。
良性だからこそ悩ましい
子宮筋腫というのは良性腫瘍だ。
だから日常生活に影響を及ぼさない限りはそのままにしていても問題ない子宮筋腫も多い。
だからこそ、帝王切開の際に子宮筋腫を切除するか否かの選択が悩ましい。
大病院のスタンスとしては、おそらく腕に自信があって、かつリスク(大量出血)に対応できる人員と設備を備えているからこそ、帝王切開時に子宮筋腫を切除するという方針をとったのだろう。
この大病院は自己血を保存する立派な設備を備えているからこそ、帝王切開時に子宮筋腫を切除する方針を選択したのだろう。
これに対して、大量出血というリスクを冒してまで子宮筋腫を切除しないという地元の総合病院の見解も間違っていないだろう。
現在、私はトラブルなく元気に暮らせている。
だから、帝王切開時に子宮筋腫を切除した選択をして良かったと思っている。
今回、帝王切開時に子宮筋腫を切除したことで、私自身が自覚していないだけで、子宮筋腫を温存した場合と比べて、術後の私のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)がいくぶん上がっているのだと信じたい。
そうでなければ、術後、相当痛い思いをしたのが報われない。