加齢とモスキート音
聴覚は加齢とともに低下することが知られている。
年齢を重ねるにつれて、
特に高周波の音が徐々に聴きとれなくなってくる。
たとえば10代の若者は、
17,000Hz(ヘルツ)以上の高周波の音を聴きとることができる。
けれども、中高年はこのような高周波の音を聴きとることができない。
聴力テスト
聴力テストに関する動画がyoutubeにたくさんアップされている。
何ヘルツまでの音を聴きとれるかで、耳年齢がわかる。
長男とわたしでyoutubeにアップされている聴力テストを実際にやってみた。
その結果、
長男は17,000Hzの高周波の音を聴きとれたのに対して、
私は案の定17,000Hzの音を聴き取れなかった。
長男が聴きとれる高周波の音を、
中年である私はまったく聴き取れなかったことがちょっと哀しかった。
とはいえ、17,000Hzといった高周波の音を聴きとれなくても日常生活に支障はないのだ。
モスキート音とは
若者だけが高周波の音を聴きとれる特性を利用したのがいわゆる『モスキート音』だ。
たとえばコンビニの駐車場で高周波の音波(モスキート音)を流す。
高周波であるモスキート音は若者には聴こえるけれども、
中高年には聴こえない。
モスキート音は若者にとっては耳ざわりな音だから、
若者はコンビニの駐車場から早々に立ち去ることになる。
コンビニの駐車場でモスキート音をあえて流すことによって、
若者を駐車場から追い払うことができるそうだ。
ただ実際にモスキート音を流している駐車場があるかどうかはよく知らない。
加齢と聴力低下
前述のとおり、人間は加齢とともに聴力が低下する。
60歳を過ぎると10,000Hzの音が聴きとれなくなるそうだ。
ただ、高周波の音が聴きとれなくても日常生活にはほとんど支障をきたさない。
加齢とともに高周波の音が聴こえなることで、
聴こえる音の範囲が減るのならば、
聴覚過敏の人にとっては、
加齢による聴力の低下はむしろ好ましいことかもしれない。
加齢とネズミの鳴き声
余談だが、うちの実家はボロ家である。
恥ずかしい話、実家の屋根裏でネズミが走り回っていることがある。
ある日、母の担当のケアマネージャーが実家を訪問し、
私と母とケアマネージャーの3人で話をしていた。
そのとき、実家の屋根裏を「チューチュー」鳴きながら、
ネズミが駆け回っているのが聴こえた。
ネズミが屋根裏を走り回っていることを、
客人が気づいたらどうしようかと焦った。
けれども、母もケアマネージャーもネズミの鳴き声が聴こえないようで、
ネズミが軽快に走り回る足音だけが聴こえたようだった。
母もケアマネージャーも高齢者(65歳以上)なので、
ネズミが走り回るときの音(低周波)は聴こえるのに、
ネズミのか細くて高い鳴き声(高周波)は聴こえなかったのだ。
「ネズミが屋根裏を走り回っている音」は「ネコが屋根を走っている音」だと言ってごまかした。
歳をとるとネズミの鳴き声も聴こえなくなるのかと思うと、正直、切なかった。