学校スポーツの不祥事について思うこと
ここ最近、スポーツ強豪校でのいじめや暴力がまた話題になっている。
運動系部活でのいじめや暴力の話が出ると「またか」という気持ちになる。
ただ、以前と変わってきたのは、いじめや暴力の被害者とされる生徒が、いじめや暴力を泣き寝入りせずに公表してわりとあっさりと転校していくこと。
以前ならば、「石の上にも三年」という諺(ことわざ)にあるように、いじめや暴力が酷くなるまで同じ学校に留まって我慢する生徒が多かった。
けれども最近は、わりと早い段階で学校に見切りをつけて転校するケースがじわじわと増えつつあると感じる。
保護者の意識の変化
最近は昔と違い、小学校入学前から家族一丸となってスポーツに力を入れる家庭が多い。
特に野球はその傾向が強い。
子どもが野球強豪校に入るまでの10年以上、家族一丸となって野球漬けの毎日だ。
たとえ野球強豪校に入学できたとしても、スタメンに入れない生徒はたくさんいる。
ただ最近は、野球に代表される集団スポーツであっても、「活躍の場がないなら転校する」「指導方法に納得いかないから転校する」
と考える保護者が増えつつある。
鶏口牛後
「鶏口牛後」という諺(ことわざ)がある。
「大きな組織のビリにいるより、小さな組織のトップでいたほうがよい」という意味のことわざだ。
「スポーツ強豪校で控えに甘んじるならば、多少レベルが劣る学校でレギュラーになるほうがいい」という考え方もある。
「他校に進学してそこで主力選手になるならば、うちで控えとして置いておくほうがいい」なんていう、不埒な考えをするスポーツ強豪校もあると噂に聞いている。
そういう学校側の思惑に保護者が気づけば、あっけなく「転校」という道を選択する保護者が出てもおかしくはない
10年以上手塩にかけて育ててきたのに、学校側の思惑で控えに回らされるならば、「子どもに活躍の場を与えるために転校させる」
という保護者の気持ちも理解できる。
それに最近は、機会とお金さえあれば、スポーツ強豪校に入学しなくても、プロ選手への指導経験がある一流の指導者から指導を受けることができる。スポーツ強豪校での指導に納得がいかない選手も出るのは当然だろう。
転校者が出るのは「保護者の意識の変化に学校側が追い付いていない」かもよ。