(読書感想)60歳からピアノをはじめなさい(著者:元吉ひろみ)

60歳からピアノをはじめなさい

著者:元吉ひろみ
初版:2021年
出版社:株式会社ヤマハミュージックエンターテイメントホールディングス

 

シニア世代のピアノレッスンの効果

この本の著者は、シニアのピアノレッスンを長年研究しているピアノ講師である。

この本ではタイトル通り「シニア世代のピアノレッスンの効果」を謳っている。

表紙にも「データでわかる 脳を活性化するピアノレッスン」と大きく書かれている。

高齢者が読みやすいよう、この本は「大きな字」で書かれていて、とても読みやすい。

少子化で子どもの数が減っているため、ピアノを習う子どもの数も減っている。

少子化による受講生の減少を補う救世主なのが「シニア世代」である。

ここ最近は「脳トレ」としてのピアノレッスンが注目され、シニア世代へのピアノレッスンが盛んに宣伝されている。

 

シニア世代「ピアノを長く続けられる人の特徴」

この本には、ピアノを長く続けられる人の特徴がデータとともに示されている。

調査の結果、シニア世代の場合、

・個人レッスンよりグループレッスンのほうが長続きする

・基礎から学びたいという人のほうが長続きする

・経験者のほうが初心者よりも辞めたくなる人が多い

という結果が出ているそうだ。

個人レッスンでは各人に合わせたレッスンが出来るから個人レッスンのほうが長続きすると思いきや、個人レッスンよりグループレッスンのほうが長続きする傾向があるのは意外だ。

 

若い人と同じ感覚でピアノレッスンを受けられるのは60代前半まで

この本の中で気になったのはやはり「エイジング」に関すること。

加齢(エイジング)によって、筋力も認知能力も低下する。

この本によれば、50代の人ならば30代の人といっしょにグループレッスンを受けても遜色ないけれども、どんな人でも60~65歳で加齢の兆候がみられるとのこと。

60代後半からは「ピアノが上手くなること」よりも「ピアノを楽しむ」ことを第一に考えたほうがいいらしい。

ということは、若い人と同じ感覚でピアノを習えるのは50代が最後ということだ。

現在50代のわたしは、今後10年は「ピアノが上手くなる」ことを目指してピアノレッスンを頑張ってみようと思った。

 

孫といっしょに

この本には触れられていないが、「シニア世代」がピアノを習うことで、忙しい親世代に代わって「シニア世代」が孫のピアノレッスンを見てあげることができる。

今の親世代は共働きで忙しい。

祖父母世代がピアノを楽しみながら孫のピアノレッスンをみてくれると親世代は助かると思う。